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2014年のパンダアップデート4.0に対する見解と対処方法

2014/07/24カテゴリー:海外SEO記事

panda-update

今年(2014年)の5月下旬に、Googleはパンダアップデート4.0をロールアウトしました。
低質なコンテンツを持つサイトや、重複ページを大量に持つサイトなど、ユーザーにとって実益性の低いサイトが対象となる、割とネガティブ系のアップデートです。
現行SEOトレンドにマッチしない、粗悪なSEO対策をしているようなサイトは影響を受けてしまったと思いますが、世界のSEO専門家たちは、今回のパンダアップデートをどのように捉えているのでしょうか?

本記事は、世界のSEOスペシャリスト8人の、パンダアップデート4.0についての意見をまとめたものとなります。
特に最後の、8人目に登場するJim Boykin氏の意見は実用的で参考になります。


 

質問

「パンダアップデート4.0がリリースされて1月ほどが経ちましたが、トラフィックや検索結果画面において長期的な変化はありましたか?もしあるなら、Googleのアップデートに対して取るべきベストアクションについてお聞かせ下さい。」

 

SearchmetricsのCTO、創設者、Marcus Tober氏の回答

Marcus Tober

“最近あった他のアップデートとは違って、パンダアップデート4.0の後に大きな変化はそんなに見られませんでした。yellowpage.comのような、「負け組リスト」に仲間入りした有名ブランドも最近は以前のように回復しましたし。こんな風に素早いリカバリーを行えば、いつもGoogleはアップデートを微調整してくれます。もしくは、そのサイトは実際はパンダの影響は受けてなかったって事ですね。
Googleはパンダの前にいくつかアップデートを作るという事を確証しています。そしてそれは素早いリカバリーを果たしたサイトを落とす事もあり得ます。”

しかしながら、一般的に我々はGoogle対主要な変化による強化を見るにとどまった。マット・カッツによれば、パンダアップデート4.0はGoogleの新しいチームによって作られ、以前のパンダの焼き直しだったらしい。だから彼らは(パンダアップデートによって)ユーザーにどんな影響が出るかを確認して、様子を見る必要があった。
パンダアップデートを繰り返す中で、もたらされる変化を把握するのに数ヶ月かかる事もある。彼が言いたいのはこういう事だと思う。

 

Youastのクリエーター、Joost de Valk氏の回答

Joost de Valk

 

“みんなが僕たちのブログ記事にコメントしてくれて、クライアントから新しいレビューがたくさん得られたよ。みんな先のアップデートでひどく苦しんでるんだ。正直、今まで僕はこういう誤反応はあまり経験しなかったし、そういうのはCSSとJSをGoogleにクロールさせて修正してた。だから多分実際はパンダじゃなかったんだよね。
僕が見てきてた他のサイトもほとんど打撃を受けてて正直ビックリした。もともと繰り返されてたパンダで既に打撃を受けていたんだと思う。

 

Blinf Five year Oldのオーナー、AJ Kohn氏の意見

AJ Kohn

“私はいくつかのサイトにおいて、トラフィックが50%〜400%ほど増加するのを見てきました。パンダ刑務所に入っていたサイトでもね。
体重を減らしたいなら、ベストアドバイスは「ダイエットして、運動しろ」っていうつまらないものでしょ?だから私も、パンダ対策に対してはそういうつまらないアドバイスをしてるんです。「質の高いコンテンツと、優れたユーザー・エクスペリエンス」ってね。

薄っぺらいコンテンツのページを排除するか、(ここでうろたえちゃダメ)ごくわずかなキーワードをターゲットにしているページを排除します。まとめ系のコンテンツには頼らず、ユーザー・エクスペリエンスは簡単にあなたのコンテンツとタスクを消化することができる事を確認しましょう。

一生懸命頑張って、ユーザーを満足させるコンテンツとユーザー・エクスペリエンスを提供しましょう。”

 

Bruce Clay株式会社のSEOマネージャー、Mindy Weinstein氏の意見

Mindy Weinstein

“予想通り、薄い内容のサイトやまとめサイト、コピペサイトはダメージを受けました。でもパンダアップデート4.0によってアクセス増という恩恵を受けたサイトもあります。だからパンダアップデートはある意味歓迎したいですね。

Googleがパンダアップデートによって何を実現したいのかという事を思い出してみてください。検索エンジンの商品価値を高めたいんです。サイトを罰する事が目的ではありません。ユーザーのために、より良い検索結果を返してあげたいだけなんです。

もしサイトがパンダ4.0の影響を受けたら、最初に取るべき行動はコンテンツの見直しです。この見直しは簡単ではありません。出来る限り客観的に自分のサイトを見なければならないからです。つまり先入観抜きの意見を得るために、誰か別の人物を用意する必要があるということですね。サイトのコンテンツは薄っぺらくないか、パクリじゃないかとか、純粋に価値があるかどうか、等の質問をしてみましょう。読みづらい?だったら、コンテンツを統合したり、何とかしなければなりません。また新しいコンテンツを作る必要もあります。適切な優れた戦略を考え、ユーザーをエンゲージさせ、関心を惹くコンテンツを作り上げる事に集中しましょう。Web上でも、ユニークで価値ある存在の方がいいでしょう?

Ghergich & Co.の創業者、A.J.Ghergich氏の意見

A.J. Ghergich

“オーガニック順位ががっつり落ちちゃったら、最初に取るべき行動は、パンダアップデートなのかペンギンアップデートなのか、もしくは両方によるものなのかを見極める事だよ。

ペンギンだったら、9割はキーワードを詰めたリンクの貼りすぎによるペナルティだね。

パンダだったら、だいたいの場合は次のどちらか(もしくは両方)の間違いを犯しちゃってる。

  1. 薄っぺらいコンテンツ:オリジナルだけど質の悪いコンテンツをSEO目的で作成している。SEOの本質を理解してないパターンのやつ。それから他サイトからコンテンツを大量にかき集めてるパターン。こういう系のコンテンツの特徴って、ソーシャルシェアが少ないんだ。だって、botとかじゃなくて本物の人間は誰もこんなコンテンツを自分のFacebookのタイムラインに載せたいと思わないからね。
  2. 誘導ページ(ドアウェイ・ページ):内部リンクの過剰最適化パターン。で、自分の管理してるサイトと相互リンクしまくりなやつ。

例を挙げよう:

ebay1

eBayに「激安の車」のページがある理由がわからないんだよね。他の「SEO目的」で作られたページにアンカーテキスト付きのリンクを貼ってるんだ。いやいや、激安なのはeBayのSEOでしょ。eBayは最近こういう戦略のために大きな代償を払って、Googleのペナルティを受けたんだ。

ebay2

もう2005年当時みたいなSEOをやるのは止めよう。巨大ブランドになっても、それはもう救いじゃないし、そうならなくたっていい。”

注釈:eBayのペナルティはGoogleによる手動ペナルティなのか、最新のパンダアップデートによる、アルゴリズム的な自動ペナルティだったかどうかについては、議論が起こっている。答えを知るのはGoogleだけだ。しかしながら、eBayがこういう薄っぺらいコンテンツを作り、過剰なSEOを施してポストパンダの世界で絶対やっちゃいけない事をやっていたという意味では明らかに有罪だ。

続けよう:

“もしeBayがこういう類のページを作ったために、手動ペナか自動ペナに捕まったのだとすれば、どんな似たような事が自分に起こり得そう?コンテンツの数が極端に少なくなったとしても、とにかく質の高いコンテンツを作るのみだ。

サイト内の構造に過剰SEOをかけたり、誘導型の薄っぺらいページを作って、Googleを攻略してやろうなんて、やっちゃいけない。(いやいや、フッターはキーワードリンクを詰め込む場所じゃないから!)

君の愛するサイトに、「パンダゲドン」を起こすなよ!”

 

G-Squared Interactiveのデジタルマーケティング・コンサルタント、Glenn Gabe氏の意見

Glenn Gabe

“2011年の2月から、私はパンダを喰らった企業を沢山助けてきました。パンダアップデート4.0はデカかったですね。全てがデカかった。リカバリーもデカかったし、初期の打撃は厳しかった。いくつかの企業が私に連絡してきました。パンダ4.0がロールアウトされてから、Googleからのオーガニック流入が一晩で60%以上も減ったってね。80%以上という所もあった。ね、デカいでしょ?

打撃を受けて、まずやる事に関して言えば、パンダにバンドエイドは無効、つまり応急処置は効きませんって事ですね。サイト全体で見直しを行わなければいけません。(パンダのレンズを通してね。)通常、この見直し作業はいくつかのアクションアイテムを作り出すわけです。パンダのターゲットは低品質なコンテンツ。でも「低品質」の意味はたくさんありますよね。薄っぺらいコンテンツ、コピペコンテンツ、成果に繋がらないコンテンツ、まとめコンテンツ、技術的な問題を起こすコンテンツなど。見直しを行おうとすると、まずどのエリアに対応すべきか、という事に直面します。これこそが、「まずやる事」です。(とても大きなステップで、かつ非常に重要です。)

見直しが完了したら、キーは「実行」です。パンダアップデートは毎月行われています。だから企業は、(基本的には)月に一度はリカバリーの機会があるという事。つまり、正しい変化を、できるだけ素速く行う事がリカバリーのキーという事です。残念なことに、多くの企業はリカバリーを確認するのにひと月は待たなければいけません。だからサイトを適切な状態にしておく事が、極めて重要なんです。私は、企業が正しいサイト修正を行い、リカバリーに6ヶ月かかったというケーススタディを執筆しました。これは私の中ではとても極端な例なんですが、リカバリーがどれだけ大変な事かという事がわかっていただけるかと思います。”

 

ConversionXL.comの編集長であり、The Inside Mindのホスト、Tommy Walker氏の意見

Thomas

“前年比傾向で出てこないような、わずかな減少には本当に気づかないもんですよ。僕たちには、最小でも1,850語で、公的調査にリンクし、ケーススタディや行動心理レポートといった、めっちゃくちゃ調査されたコンテンツしか掲載しないっていう編集ポリシーをはじめからずっと持っています。
もちろん、これは絶対確実なわけではないですし、Googleがシフトする方向性についてはアンテナを張ってます。でも僕は、たとえこの先変化が訪れても、可能な限り行なったリサーチが、僕たちを巨大な衝撃から守ってくれると、信じたいですね。”

 

Internet Marketing Ninjasの創始者兼CEO、Jim Boykin氏の意見

Jim Boykin

“うん、ボクたちはね、パンダちゃんにやられちゃったサイトをいくつも、何年もわたって対処して来たんだよね。でもパンダアップデート4.0に引っかかったのは、ボクたちのクライアントのうち2つだけだったな。この2つのクライアントっていうのは、Googleのパンダちゃんのペナルティ対象にあたるパターンにフィットしちゃってるサイトって事で警告を受けちゃったんだ。2つとも、100,000ページ以上のコンテンツページがあって、大量の地域ページがあったんだ。例えば、1つのクライアントが、同じページを全ての郵便番号ごとにページを持ってたりね。両サイトとも、地域名が違うだけの重複ページを何万と持ってたんだ。例えばね、コロラド州のデンバーっていう地域のページは、ニューヨークのトロイアって地域のページと、おんなじ内容だったんだよね。どっちのサイトも、「似たような内容の」ページが大量にあったんだ。

まぁ、基本的に解決方法としては、サイトを大幅にダイエットしちゃうってことかな。全ページがユニークで実用的にしてあげるって事ね。例えばー、220,000ページもGoogleにインデックスされてるサイトを3,900ページにまで減らした事もあるからね。

ページの大部分をrobots.txtでブロックしたんだ。全ページにユニークなコンテンツを用意できるまでは、コピペみたいなページは全部ブロックした。

それから、似たようなページにはcanonicalタグもたくさん使ったよ。

あとはー、ページネーションの問題に対して、rel=previousとrel=nextのタグも付けた。

だから今、コンテンツ作りで忙しいんだ・・・。もし1,000ページ分の新規ページをアップしたら、約2分の1の、64%くらいは削減できるんじゃないかと思うね。アクセス数を以前のように戻すには、大量のコンテンツと、期間で言えば2年はかかりそうだよ。

ボクたちは、すべてのページをユニークにしなくちゃいけない。単語をちょこちょこ変えるだけじゃダメ。全ページ、書きおろしの内容にするんだよ。200語のページもあれば、600語のページもあると思うよ。地域ページだったら、実在する名所とかについて書いてあればいいかな。あとはその場所について、信頼できるリソースへの発リンクだね。

ラッキーなことに、クライアントは一度「平常時のトラフィック」をわかってもらえれば、数百数千のページを追加してトラフィックを増やそうとしてくれる。そうやって「平常時のトラフィック」に今では戻す事ができたよ。彼らがプレイしているのはゲームでさ、時間をかけて勝利したんだ。今ではみんな、ユニークで実用的なコンテンツを作らなきゃいけないって気づいてくれてる。再び返り咲くためには、時間はかかるんだけどね。”

 

※ ここまでの記事は、SearchEngineJournalに2014年7月2日に掲載された記事”‘What The Experts Say’: What’s Changed After Panda 4.0?“をSEO Scene独自に日本語翻訳したものです。

 

 

SEO Scene解説

 

ここに挙げた8人の専門家たちは、それぞれ様々な角度からパンダアップデート4.0について語ってくれていますが、パンダの対処法として基本的に共通しているアドバイスは:

  1. ・まずパンダアップデートによる影響なのかを見極める。
  2. ・サイト全体の見直しを、隅々まで行う。
  3. ・価値の低いページ、内容が重複しているページ(地域ページなど)は、削除またはrobot.txtでブロックする。
  4. ・すべてのページになるべくオリジナルのコンテンツを持たせ、全ページをユニークにする。

 

さらにもう1つの助言としては、

リカバリーにはとにかく時間がかかる!

という事ですね。

これは、Googleのアルゴリズムの更新サイクルがある程度の期間を要するという理由もありますし、
先述したアドバイスのように、サイトの見直しを行い、1つ1つページの作り込みを行おうと思うと作業工数的に時間を要する、という理由もあります。
しかし、よほどでなければ、「パンダを喰らったけど、ほっといたら順位もアクセスも回復した!」という事例は少ないはずです。
基本的にこちらからポジティブのアクションを起こさないと、状況は改善されません。

さらに言えば、パンダアップデートの対象となってしまっていたというのは今どき自業自得かもしれないですね…。

 

ここに挙げた8人のSEOスペシャリストの中でさえ、パンダアップデートの対処に苦しんでいる者はいます。
原因を特定し、1つ1つ丁寧に対処していきましょう。

もし、原因がわからない、どうすればいいかわからない、という場合は、SEOに詳しい専門家に診てもらうことをオススメします。

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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