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マット・カッツの「カタマリ理論」こそ、これからのSEOの鍵だ。

2014/06/13カテゴリー:海外SEO記事

前回の記事で、「小さなサイトが大きなサイトに勝つための方法」について、
「まずはニッチなエリアから攻めて、次第に拡大していく」というマット・カッツからのアドバイスを紹介しました。

その中でマット・カッツが、「カタマリ理論」(katamari philosophy)という言葉を口にしていました。
どうやら、PS2ゲーム「塊魂」が元で、海外でも「katamari」という言葉が通じるようです。

さて、マット・カッツの言う、SEOでの「カタマリ理論」とはどういうものなのか?
具体的に掘り下げている記事がありましたので、翻訳してみました。
すると、この考え方こそが、これからの「新しいSEO」時代に必要な考え方の基礎であることがわかりました。

じゃあレッツゴー!


 

「カタマリ」って?

まずはじめに、「カタマリ理論」をSEOに適応させるという事について。
カタマリとは、ヒーローが小さな接着ボールを使って世界を再建する、PS2の有名なゲームで出てくる言葉のことだ。(=ゲーム「塊魂」のこと)

katamari

 

このボールは色んな場所を転がって、ひとつの星になれるくらい巨大になるまで、どんどん大きな物質を取り込んで成長するんだ。

PS2ゲーム「塊魂」のCM動画

Googleのマット・カッツは、複数のタイミングでこの「塊魂」を参照にしている。

最近のビデオではこんな質問に答えている:

質問
「優れたコンテンツを持った小さいサイトは、どうやって上位のサイトに勝てるんですか?
地域or全国区の実店舗ブランドのサイトはたくさんトラフィックが得られるし、順位も上がりやすい。そうするとまた沢山のトラフィックが得られて…以下無限ループっていう、悪循環があると思うんですが。」

 

この質問者のお悩みは、よくあるものだ。WEBマーケティングを始めたばかりの小〜中規模のビジネスでは、上位にいる巨大なサイトには打つ手が無いと思わされる。でもこの悩みは、勘違いなんだ。この「カタマリ理論」をもって挑戦すれば、勝つ見込みは充分ある。

 

サイトを成長させる方法 ー ニッチからニッチへ

 

ロングテールのキーワードから始めよう

 

「小さな」サイトは「大きな」キーワードを正面から追い求めるべきではない。その変わり、ターゲットとする市場に合う、ロングテールのキーワードを狙うんだ。
不動産サイトを例にすると、南オレンジカウンティの(新規)不動産サイトは、“オレンジカウンティ 不動産”というキーワードを狙ってはならない。すぐに、ビッグプレーヤーたちと戦わなければならない事に気付くだろう。でも、“ラグーナビーチ CA コンドミニアム 販売”とか“ラグーナビーチ ベッドルーム2つ ファミリー向け”のようなロングテールはGoogleにおいて容易にエントリーできる。ニッチで、「小さな」キーワードを早い段階からターゲットにする必要がある。Googleにとってのあなたのネームバリューを構築することによって、より大きな視野を得られるようになるんだ。
アドバイスを付け加えるなら、ロングテールのキーワードがサイト(=あなたのカタマリ)の一番のビッグキーワードを含むようにするということ。後から上位に上がってくるかもしれない。したがって、“ラグーナビーチ ベッドルーム2つ ファミリー向け”“ラグーナビーチ 家”のほうが、カタマリが育った時により利益になる。

 

1つの地域から始めよう

 

このポイントは、すでに前述しているね。ロングテールのキーワードをターゲットとする事の大部分は、特定の地域を狙うという事だ。”中枢”(すなわちオレンジカウンティ)となるキーワードで上位を狙うのは、小さいなローカルサイトにはムダな努力だ。そうじゃなくて、自分の商圏に最も適した地名を狙おう。ローカルなビジネスアドレスを持つということは、Googleプレイスを経由して特定のコミュニティ(すなわちラグーナビーチ)を狙う余地があるということ。パイを取ろうとする部外者よりも優位に立てるんだ。Googleは、あなたのターゲット地域は、より大きなものの「一部」である事を理解している。小さめのターゲット地域からの集客から始めよう。そうすると“中枢”に挑戦する準備ができたときに、Googleにより気づいてもらえやすくなるんだ。

 

あなたの専門分野に”ひっつく”コンテンツをつくろう

 

「カタマリ」は”ひっつかないと”だめだ。WEBマーケティングにおける”ひっつく”コンテンツとは、より多くのユーザーを呼び戻し続けるようなコンテンツのこと。つまりサイトを育てるためには、魅力的なコンテンツをもって新規ユーザーを集め、別のコンテンツでリピートユーザーとして呼び戻す、という事が必要になる。その際、(ソーシャルや、彼らのサイトにリンクを貼ることで)コンテンツを他の人とシェアされる事が期待できる。そうしてサイトが業界内で勝手に永続的に循環してくれて、検索エンジン上での大手ブランドと張り合えるようになる。
さて、コンテンツを”ひっつく”ようにするものとは何だろう?
魅力的であり、情報量があり、実用的でさまざまなメディア(写真、画像、インフォグラフィック、動画)をカバーしていて、例えばあなたブログ内のような、サイト内で見つけやすい場所で定期的に発信されている必要がある。コンテンツの始まりは”タイト”に仕上げ、選んだロングテールキーワードと同様のニッチに焦点を当てる。こうして、ラグーナビーチの不動産業者は”塩気のある空気からビーチフロントの中庭を守る方法”などに悩む、ラグーナビーチエリアの居住者たちに直接コンテンツを届けられるようになるわけだ。

 

我慢しよう

 

耐えるんだ、若造よ。・・・このシンプルな一文こそ、「カタマリ理論」をもってSEOに挑む際に重要になるものだ。Googleからの評価を蓄積するのは、時間がかかる。
はじめのうちは、徐々に成果が見られるはずだ。しかしメジャー級の競合が関わってくるとなると…目標や業界次第だが、数ヶ月かそれ以上はかかるだろう。
だから「小さな勝利」の積み重ねを楽しめるように、ゆっくり、確実に駒を進めればいい。
WEBマーケティングを堅実に構築していこう。そうして、将来やってくるであろう、デカい獲物に備えればいい。

 

攻めるべき時を知ろう

 

いったんロングテールで好順位に入ると、比較的安定した、まとまったアクセスが発生する。そうなるとキーワードの幅を広げられるようになり、他のエリアにも攻めれるようになる。でも、必ず一歩一歩進めるんだ。一石二鳥を狙うのでなく、メインのキーワードにあくまで集中して欲しい。
たとえばさきほどのラグーナビーチの不動産業者だったら”ラグーナビーチ 家”とか”ニューポートビーチ ベッドルーム2部屋 ファミリー” とかね。
新しいキーワードで順位付けさえるようになると、次のレベルに進めて、次第にニッチでの成功を積み重ねていく。
そうやって究極には、あなたのカタマリは、星になるんだ。

※この内容は、カナダStandard Marketingに2014年5月2日に掲載された”KATAMARI PHILOSOPHY FOR SEO – GROW YOUR WEBSITE NICHE BY NICHE“を、SEO Scene独自に日本語翻訳したものです。

 

SEO Scene所感

 

SEOにおける「カタマリ理論」いかがでしたでしょうか。

まずは小さなエリア、キーワードから攻めて、少しづつ評価を蓄積し、やがて大きなカタマリになっていく。
それには時間がかかる時もあるが、僕はそれこそ正攻法だと思います。
こういう手法は、リスクを恐れずインスタントな効果が重要なアフィリエイトSEOには向かないでしょう。
しかし企業サイト、ECサイトにおいてはこの「カタマリ理論」こそが正攻法。
会社の株価や評判が短期間で魔法のように急上昇することがあり得ないのと同じで、
サイトの評価も、それなりの期間や根気が必要なんです。

外部リンクの時代は続きます。
でも、「外部リンクだけでOK」の時代は終焉を迎えました。
つまり、「SEO業者に金払って外部リンク貼らせればOK」という戦略はもう通用しないということです。

「本当に価値のあるサイトだけが上位表示される」という、Googleの理想とする純粋な検索結果になりつつあります。(まだ未完なところはありますが)
ちょうど今、SEOは大きな転換期を迎えています。

この転換期と、この後やってくる新しいSEOの時代に必要な考え方・・・それこそがこの「カタマリ理論」だと思います。
ビッグキーワードが欲しいから、人工リンクを大量に貼る・・・そんな考えはもうやめて、
ビッグキーワードが欲しいから、まずはロングテールから一歩一歩、歩みを進める。
そんな「カタマリ理論」SEOにシフトしませんか。

時にはお金が必要な対策もあるでしょう。
でもそれほどの費用をかけずとも、ユーザーのためになり、検索エンジンから高評価を得られる「コンテンツ作り」のノウハウや、センスを兼ねた支援ができる人たちがいます。
それが「SEOコンサルタント」「WEBコンサルタント」と呼ばれる人たちだと思います。

 

…ところで、「1つ1つの小さな成功を積み重ね、やがて大きな成功を手にする」・・・この考え方は、SEOというか人生そのものに作用しそうなものですね。

 

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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