「質の高いコンテンツ」の定義って何?コンテンツマーケティングって何するの?
2014/06/17カテゴリー:海外SEO記事
はじめに
個人的には、「コンテンツマーケティング」という概念自体が大企業以外の現場レベルに浸透していない気がします。
国内でも先進的なSEOエージェントはずっと前からコンテンツマーケティングやコンテンツSEOと呼ばれる活動の可能性や必要性を主張してきていますが、
この短期的な効果や利益がシミュレートしづらく、かつ通常の販促活動に比べ手間やエネルギーを要する活動の有用性はまだまだ充分な理解が広まっているとは思えません。
海外のSEOやWEBマーケティングに関する知見や記事を見ていると、コンテンツマーケティングやソーシャルマーケティングを行うのは当然であるようなカルチャーが根付いているような印象があります。
本記事では、そんなコンテンツマーケティングについて、
「コンテンツマーケティングは”どういうものを作るか”に終始してしまい、”作っておしまい”になりがちである」ことを危惧するものです。
また、「質の高いコンテンツ」とはどういうものなのか、についても述べています。
今回も、海外記事をがんばって翻訳してみました。
それではレッツゴー!
この記事の目次
コンテンツマーケティングと被リンク構築は似て非なる
被リンク構築は、非常に移り変わりの激しい世界だ。今日、一番最適な手法が、半年後には違っているかもしれない。そんな事が異常に頻繁に起こる。これがGoogleが長らく続けている、被リンク構築に対するスタンスだ。
今、SEOに関する大部分が、優先事項を被リンク構築からコンテンツマーケティングに移行しつつある。
私は、コンテンツマーケティングなんて効果がないなどと言うつもりはない。あなたが今読んでいるのは、コンテンツマーケティングの一例だ。
コンテンツマーケティングは、被リンク構築用の戦術として、メインとしても、または単独でも追求するべきではない。なぜなら、コンテンツマーケティングと被リンク構築は2つの異なるものだからだ。
私は、コンテンツマーケティングと被リンク構築が一緒にされている記事などを見ると、すごくイライラする。
確かに、よく似た部分もある。例えば、(この2つに限ったものではないけど)以下の点で目標は同じだ:
コンテンツマーケティングと被リンク構築の共通目的
- トラフィックを増やす
- コンバージョンを増やす
- ブランド性の構築
- 関係性の構築
- WEB上での露出度を高める
確かにコンテンツマーケティングと被リンク構築は相性が良い。でもこの2つの手法は、それぞれ独立して実行されるものなんだ。
被リンク構築はコンテンツを必要とするわけじゃない。コンテンツがあった方がやりやすいだろうけど、必要不可欠という事はない。コンテンツ無しでもリンクは築けるんだ。
逆に、被リンク構築がコンテンツを必要としないように、コンテンツマーケティングも被リンクを必ずしも必要としない。他のサイトに対するコンテンツによってインバウンドリンクが得られたなら、そりゃ言うことはない。でも、そのリンクはあなたが探しているものではない。
多くの時間、コンテンツマーケティングは自分のサイト内のコンテンツをどうするべきかにこだわる。
そしてそれは、リンク調査(リンク元となりそうな市場を調査すること)という、リンク構築において最も挑むべき作業をないがしろにしてしまう。
コンテンツマーケティングとは、メッセージを広めるという事なんだ。
そう、被リンク構築とコンテンツマーケティングは全くの同義語ではない。「被リンク構築2.0」の時代に向けて、コンテンツマーケティングの在り方は誤解されてはならない。
これは被リンク構築とコンテンツマーケティングが相伴って作用しない、という意味ではない。一緒に行うことはできるし、そうするべきだ。
もし、WEB上での露出度を高めるために誠実に努力をしているなら、リソースについて考え、マーケティング活動に費やすべきだ。そうすれば、ベストな結果がもたらされるだろう。
コンテンツマーケティングと被リンク構築は、お互いを補うよう、上手いことできているんだ。
なぜコンテンツマーケティングが被リンク構築に効くのか?
あなたがコンテンツマーケティングの企画に、ただのリンク構築のための手段として従事しているなら、あなたは間違ったことをやっている。
コンテンツマーケティングは、被リンク構築の道のりを逸れてはいけない。
コンテンツは被リンク構築を簡単にしてくれる。なぜならコンテンツはレバレッジとなり、リンクをもたらす。
もう一度言おう。「良い」コンテンツはレバレッジとなり、リンクをもたらす。
もし、不正にリンクが欲しいが為に、しょぼくて不適切なコンテンツを広めようとしているなら、マット・カッツが今年はじめに問題にしたような輩の一部ということになる。ウェブマスター達が良いコンテンツに飢えていて、欲しがっているのは、ユーザーがそれを欲しがっているからなんだ。
ユーザーは優れたコンテンツを好む。最高の仕事を他の人に任せてしまったせいで、サイトに優れたコンテンツが欠けている、なんて状態にしたくはないだろう。
このようなコンテンツはリンクを生みやすい。なぜなら、リンクが生まれるかどうかは、コンテンツの質次第だからだ。
コンテンツの無いサイトは質が悪いとか、リンクがもらえないとい訳ではない。が、コンテンツはリンクをもたらしてくれる、価値ある資産なのだ。
あなたのコンテンツは、権威あるブログに引用される際のソースになり得るし、そうやってリンクは発生するものなんだ。
より価値の高いコンテンツを供給すれば、リンクを築くことはより容易になる。たった30分で適当に作ったようなもので、リンクの集まりがやってくるなんて期待しちゃいけない。質の高いコンテンツには、時間と手間がかかるという事を心に留めておいて欲しい。
質の高いコンテンツとは?
コンテンツの質を決定づけるものとは何だろうか?それは状況による。技術的には、品質というものは見る人次第だ。
私の中では、コンテンツの品質とは以下の内容だ:
- 徹底的に研究されているか?
- メッセージは明確か?堂々としているか?
- ターゲットは特定のユーザーであるか?
- 誰かに話したくなる内容か?
- コンテンツの不足を満たすものか?
多くの場合、コンテンツには人員やリソースを多く費やす必要があるが、その価値は充分ある。コンテンツが優れていればいるほど、人は広めたくなる。優れたコンテンツが広まるほど、より多くのリンクを集められる。被リンクの構築も獲得も、ずっと容易になるんだ。
なぜ被リンク構築がコンテンツマーケティングに効くのか?
あなたのコンテンツがどれだけ優れてるか、私は気にしない。誰にも見られなければ、価値が無いだろう。
つまり、注目を集めるために、何かしてやる必要があるという事だ。あなたはWEBコンテンツにおける「アラバマ物語」を持っていると思うかもしれない。
しかし、インターネットは「フィールド・オブ・ドリーム」ではない。「作れば、(結果が)やって来る」なんてものはないんだ。
アラバマ物語とは
『アラバマ物語』(アラバマものがたり、原題: To Kill a Mockingbird)は、1962年製作のアメリカ映画。人種的偏見が根強く残るアメリカ南部で、白人女性への暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス・フィンチの物語。
フィールド・オブ・ドリームとは
『フィールド・オブ・ドリームス』(Field of Dreams)は、1989年公開のアメリカ合衆国の映画野球を題材に、60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカで讃えられる美徳を描き上げたファンタジー映画である。
作った後は、トラフィックを稼ぐためにプロモーション戦略に取りかかる必要がある。
ここで被リンク構築の出番だ。
もしWEB上に優れたコンテンツを持っているなら、それにリンクを集めよう。または、少なくとも、ユーザーや関連サイトに向けて積極的なプロモーションにトライしてみよう。あなたの素晴らしいコンテンツに、Referralのトラフィックをもたらすだけでなく、検索エンジン上でのパフォーマンスを高め、さらなるトラフィックにつながるだろう。「リンクという資産は、貴重ではない」なんて言葉に騙されてはいけない。
コンテンツにリンクをもたらすいくつかの方法によって、検索結果での露出度を高めていく。あなたは、まぁ、記事のタイトルでGoogleアラートをセットしておいて、自分のコンテンツへの言及をチェックするんだ。
Googleアラートとは
Google アラートは、指定のキーワードに関連する最新の Google 検索結果(ウェブ、ニュースなど)をメールで配信するサービスです。
もし誰かがWEB上であなたのコンテンツについて言及しているのに、リンクが付けられていない場合は、サイト運営者にコンタクトを取るんだ。
悪意のない内容であなたのコンテンツを取り上げてくれるような人だったら、頼んでみればリンクを貼ってくれる可能性はある。これは、”Fresh Mention Link Building”と呼ばれている。
鍵となるような、注目されているインフルエンサーがあなたのコンテンツを取り上げてくれたら、コンタクトリストを作って、メールを送ってみよう。彼らについてポジティブな事を言っていれば、知りたがるはずだ。彼らにとってはマーケティングに利益があるし、そうじゃないとしても、誰もお世辞に免疫はない。
マーケティングに利益があるなら、あなたのコンテンツにリンクを貼ろうとするはずだ。
あなたの価値あるコンテンツにリンクをもたらす方法は、まだ他にもある。実行すべき事があるんだ。
コンテンツマーケティングは徹底的なプロセスとなり得るが、時間と手間をたっぷりかけたのに、誰にもコンテンツを見てもらえなかったら…きっと難しいと思うだろう。それでもより多くのエネルギーを積極的に投資するべきだ。その価値だけのことはある。
私はリンクビルダーであり、CEOであり、被リンク会社の共同所有者である。もし私に、「どんなWEBマーケティング戦略がベストなんですか」と尋ねるなら、もちろん私は、「被リンク構築です」と答える。
しかし私はまた、1種類のWEBマーケティングだけでは不十分だよ、とも答えるだろう。
本当にサイトにトラフィックが欲しいなら、あなたの専門分野に対するありとあらゆるマーケティング戦略を行うべきだ。
複数の戦術がうまく組み合わされば、効果はより確実となる。
※この記事は、2014年6月12日にSeach Engine Journalに掲載された記事 “Link Building and Content Marketing: Two Different Peas in a Pod” をSEO Scene独自に日本語翻訳したものです。
SEO Scene 解説
本記事でも語られているとおり、サイト上のコンテンツはあなたのサイトの「資産」となります。
当然、価値ある「資産」を作るプロセスも徹底的にこだわるべきですが、
その「資産価値」を最大化するための「被リンク構築」活動をないがしろにしてはいけません。
被リンク構築に関する海外のSEO記事には、「リンクプロファイル」とか「リンクのリスト」という言葉が頻繁に登場します。
これは、WEBマスターツールやOpen Site Explorerなどの被リンク確認ツールを活用し、
自サイトから競合サイトまでの現在の被リンク状況を洗い出し、リストアップし内容の確認を行い、月ごとに更新していく作業です。
海外での「外部対策」とは、スパムSEO業者に頼んでスパムリンクを用意するという発想は「恐竜時代」と皮肉られ、
このリンクプロファイル・リストをもとに
- さらにリンクを獲得できそうなサイト群、ブログコミュニティの洗い出し
- 競合サイトが獲得しているリンクで、自分のサイトにもリンクを貼ってくれそうなサイトの洗い出し
などの緻密な作業を行う事を指すことがあるようです。
「インフルエンサーにメールを出してみる」などの作業は、日本のSEOには根付いていないアイデアでしょう。
そこまで含めての「コンテンツマーケティング」である、ということです。
また本記事では、「質のいいコンテンツの定義」についても述べています。
- 徹底的に研究されているか?
- メッセージは明確か?堂々としているか?
- ターゲットは特定のユーザーであるか?
- 誰かに話したくなる内容か?
- コンテンツの不足を満たすものか?
逆にいうと、「ダメなコンテンツ」の定義は以下のようになるでしょう。
- 素人が書いたような浅〜い内容
- 何を伝えたいのかわからない、フワフワした内容
- 誰に伝えないのかわからない、ボヤけた内容
- 読んだ後にブラウザをそっと閉じたくなる内容
質の高いコンテンツを制作する価値は必ずあります。
正しい方向に向けて努力をすれば、必ず報われることと思います。
ただし、記事にあるように、”「作れば、(結果が)やって来る」なんてものはない”でしょう。が
Twitterのアカウントはフレンドリーに運用していますか?
Facebookページは活き活きとしていますか?
「コンテンツ」という、あなたのサイトにしかない貴重な資産の価値を最大化するために何をすべきか?
少しでも参考になる・モチベーションにつながる内容となっていれば光栄です。