SEO対策やWebマーケティングについて、最新情報やノウハウ、海外記事の翻訳などをお届けします。

presented by riverch

  • facebook
  • twitter
  • bookmark
  • rss
  • google+
  • pocket
  • feedly

ABOUT

CONTACT

nanapiに視る、ユーザーファーストSEOとは?

2014/06/16カテゴリー:SEO対策コラム

nanapi

nanapi.jpという、日本最大級のハウツーサイトがあります。恋愛からIT情報、何から何まで、ありとあらゆる「ハウツー」をまとめ、発信しているサイトです。
先日、このnanapiのテックブログに、こんなエントリが挙がりました。

nanapiのSEOはチーム戦!検索流入数を前年比166%にした施策

このnanapiのSEOディレクションを担当したのは、日本のSEO界において「神」と崇められる、辻正浩氏
辻氏の写真

辻氏はこのnanapiのSEOにおいて、以下ののような施策を行なったそうです:

施策その1
検索されないページを検索エンジンから認識されないようした

施策その2
徹底的に構造化した

その他施策

  • 継続的なコンテンツ増強実施。1年で3倍に
  • 魅力的な見せ方の追求
  • 検索結果でどう表示されるかをプレビューできる仕組みを導入
  • また、OGPもCMSに仕込んで管理
  • サブドメインで分けていたコンテンツを一つのドメインに統合
  • などなど・・・

SEOの成功に向かって継続したこと

  1. ユーザ満足のためサイト価値の向上
  2. SEOの価値を全社的に理解
    サイト価値を検索エンジンに認識させる
  3. 確実な状況把握で精度を高めながら継続


辻氏が行ったこと

  • 勉強会の実施。方向性の共有
  • まずは成果で信頼を得る
  • 成果の共有

出典:CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(後編)


ユーザーファーストSEOについて考える

さて、僕がこのnanapiで「いいなぁー」と思う箇所の1つは、「徹底的にユーザーファースト」であるという点です。
上の引用文の中で言うと、“ユーザ満足のためのサイト価値の向上”のところですね。

nanapiの記事にて紹介されている施策内容には、

  1. 表示速度の改善
  2. キーワードの洗い出し
  3. 拡散性の高いコンテンツ制作

の3点が挙げられています。2のキーワード洗い出しに関しては、バックヤードで行う戦略的な内容ですが、1と3に関しては「ユーザーファースト」という考え方が大前提になってくる対策です。

つまり、対策の目的が、「検索エンジンのため」ではなく、「ユーザーのため」であるということです。

「表示速度の速いサイトの方が、Googleに好まれる!」ではなく、
「表示速度の速いサイトの方が、ユーザーがストレスなくサイトを楽しんでくれる!」ということ。

「拡散性の高いコンテンツは、被リンクが集まりやすくなり、Googleからの評価がつきやすい!」ではなく、
「拡散性の高いコンテンツは、ユーザーに共有されやすく、自分たちのコンテンツをたくさんのユーザーに届けられる!」ということ。

先日Web担当者Forumに上がった記事「まっとうなWebサイトにはSEOなど不要! 検索エンジンよりもユーザーを思うべし」に綴られた言葉が、この概念をよく表しています:

検索エンジンのための対策ではなく、「お客さまのための施策」にならなければ、Webサイトで成果を出すことはできないはずだ。

時代は「検索エンジン最適化」から「ユーザーニーズ最適化」(User Needs Optimization)へと移り変わっている。

ここで僕が主張したいのは、「ユーザビリティ」と「検索エンジンからの評価」はしばしば不可逆的であるという事です。
つまり、「ユーザビリティ」を追求した結果、「検索エンジンからの評価」も付いてきた、ということはあれど、
「検索エンジンからの評価」だけを追求して「ユーザビリティ」も常に改善されるというわけではないという事です。
言い換えると、以下の様な式が成りちます。

人間にとってわかりやすい

検索エンジンにとってわかりやすい

検索順位において適切な評価を受けやすい

そして、この上から下への自然な流れを逆流させることは、必ずしも起こりえないのです。

それでは、nanapiをサンプルとし、どのような点が「ユーザーファースト」であるかをチェックしていきましょう。

ユーザーの期待に応えられるコンテンツ

 

SimilarWebというサービスを使って、nanapiのアクセス状況を軽く確認してみます。
ちなみにSimilarWebとは、気になるサイトのURLを入れるだけで、アクセス数や流入数、その内訳などが丸裸にできてしまう恐ろしいwebサービスです。
もちろん数値や内訳の情報は100%正しいものではないのですが、目安程度として非常に役立ちます。
※ただしある程度規模感のあるサイトでないと、データが取れないようです。

さて、nanapiの流入チャネルの内訳は・・・

nanapi traffic

ほとんどが検索エンジンからの流入ですね。羨ましい!

では、どのようなキーワードでの流入が起こっているのか、その内訳は・・・

nanapi keyword

サイト名キーワードに次いで多いのが、「Facebook 退会」。このキーワードでnanapiは現在検索1位となっています。(2014/6/16 現在)

実際に「Facebook 退会」で1位にインデックスされているページがこちら:
これでアカウント完全削除!「Facebook(フェイスブック)」の退会方法

このページの何が、ユーザーファーストであり、SEOにも都合がいいのかを簡単に解説してみます。

ユーザーニーズを適切に捉えたタイトル

検索エンジンから人を呼びたければ、まずユーザーがどんなキーワードで検索をかけるのか、洗い出しを行う必要があります。
上で挙げたキーワードは「Facebook 退会」ですが、“Facebookを退会したいけど方法がわからない”という悩みを持つユーザーが検索エンジンに打ち込むであろうキーワードをまずはリストアップします。

「Facebook 退会」で流入の多い記事がnanapi.jpではあるのですが、ニーズを見てみると「Facebookを退会したい」という人だけではなく、「Facebook やめたい」、「Facebook 登録解除」など、キーワードは違いますが、課題ニーズの元は同じことがあります。

「Facebookを退会したい」というユーザニーズに対しては、
「Facebook 登録 削除」
「Facebook アカウント 削除」
「Facebook 削除 方法」
「Facebook 退会 方法」
といったキーワードのほか、「Facebook」を「フェイスブック」と打ち込まれるケースも想定できますよね。

以上を踏まえて記事のタイトルをもう一度見てみましょう。

これでアカウント完全削除!「Facebook(フェイスブック)」の退会方法

ムダがなく、必要なキーワードをうまく取り入れた、実にシェイプアップされたタイトルですね。
これは、以前紹介した「カタマリ理論」に通ずるものです。派生するロングテールキーワードを網羅することにより、”中枢”となるキーワードでの評価が高まるのです。
※ちなみに、さりげなく派生キーワードを盛り込む手法を、nanapi記事では記事本文にも適応させています。

そしてこのタイトル選定法のもう1つのメリットこそ、ユーザーファーストであるという事です。
もしこの記事のタイトルが、「Facebook 退会」というキーワードしか意識していないものだったら?きっとこんなタイトルになっていたかもしれません:

Facebookの退会について | nanapi [ナナピ]

(もちろん、こんなセンスのないタイトルは付けないと思いますが・・・)
こんなタイトルでは、このページがどんな内容であるのか、ユーザーが欲しい情報があるのかないのか、非常に伝わりづらい。
元のタイトルなら、「あ、この記事には自分が探している情報がありそうだ」と想像させる事ができるわけです。

さて、以前の記事で、SEOにおいてタイトル前方にキーワードを持ってきたほうがいいという、暗黙の了解みたいなものがある、と紹介しました。
あれ、でもこのタイトルだと、肝心の「Facebook 退会」が一番最後についてるじゃん・・・と思われる方もいるかもしれません。
確かに個人的にも、体感としてなるべくタイトル前方にキーワードを持ってきた方が「良いような気がする」のも事実です。
でもこの「暗黙の了解」はいわば「都市伝説」的なものであり、確固として確立されたものではありません。

しかし、「ユーザーにとってキャッチーなタイトルであるほうが、クリック率が高まる」というのは、疑いようのない真実です。
都市伝説的な通説よりも、真実をもって打ち立てられたノウハウに従うのは当然のことでしょう。
この記事のタイトルは、「ユーザーがクリックしたくなるようなタイトルはどんなものだろうか」という事を追求して付けられた、コピーライティングでもあるんです。

実際に、なんとなくネットサーフィンをしていて、思わず目にとまるタイトルの記事をクリックした経験は誰にだってあるでしょう。
そんなキャッチーなタイトルのつけ方について、とても参考になるのがNAVERまとめだと思います。
ここは、キーワード濃度もソースコードも何もない、本当にユーザーが喜ぶものだけをつくろう、という「中身勝負」の有志が集まった世界です。
言うならば超ピュア。そんな世界では、人はどんなタイトルを付けて、どんなタイトルで人を集めているのかが浮き彫りになります。

行き届いた「おもてなし」

 

nanapiほどの規模のサイトとなると、コンテンツページ数が膨大となりますが、これをうまくカテゴライズすることに成功しています。
例えば先ほどのFacebookの記事の情報のパンくずリストに着目すると、
パンくず

このように、カテゴリのレベルに線引をおこなっています。
ではこのパンくずをさかのぼって、各カテゴリページをみてみましょう。
まずは、Facebook(フェイスブック)のカテゴリページへ。

nanapi facebook

たかがカテゴリページ、されどカテゴリページ。
WEBサイトというのは、どのページにユーザーが着地してくるかわかりません。調査によれば、TOPページからアクセスしてくるユーザーは、全体の20%にも満たないそうです。
そうなったら、全てのページにおいて手抜きは許されません。
nanapiでは、カテゴリ内のページを自動生成で並べるだけでなく、カテゴリページの細部まで手入れが行き届いています。

  • カテゴリページの紹介文
  • ソーシャルボタン
  • カテゴリ内でのフリーワード検索機能
  • ユーザーニーズに則した、各記事ページの整列・紹介
  • このページにやってきたユーザーが他に興味を持ちそうなページの紹介(右カラム記事ランキング)

さらにパンくずリストを「SNS」「コミュニケーション」「Web」とさかのぼっても、すべてのカテゴリページにおいて「わかりやすく」「探しやすい」工夫がなされています。

どのページに着地しても、ユーザーが欲している情報をスムーズに見つけられる。こうした「おもてなし」は、人間だけでなく検索エンジンにとっても心地いいものなのです。

 

内部リンクの徹底した充実

 

内部リンク…つまり、サイト内のページからページへリンクを貼ること。
この充実がなぜ大切なのか、簡単に説明します。

たとえばあなたがスーパーに買い物に行ったとします。
「今日の夕食はカレーにしよう。人参、玉ねぎ、じゃがいもに牛肉、あとカレールウ。そういえばお米も切らしていたなぁ・・・。」
なんて事を考えながらスーパーに入った時、
野菜売り場、肉売り場、ルウやお米の売り場がそれぞれバラバラな場所にあって、それぞれが繋がっていなかったとしたら?

「アレ?野菜はここで買えるけど、肉とルウはどこだ?そもそもこのスーパー、お米は取り扱ってないのかも?」
「もういいや、肉やルウやお米は諦めて、野菜だけ買って帰ろう・・・。」

こんなことになってしまうかもしれません。

各売り場が繋がっているからこそ、あなたはスーパーの中を巡回して、必要なものを手に入れられるのです。
さらに言うなら、スーパーに入った途端に、
”カレー特集!カレーに必要な具材をすべてこの場所に集めました”なんてコーナーがあったら最高ですね。

「野菜も肉もルウも全部ココに揃ってるぞ!ここのスーパーは親切だなぁ。」
「お、ターメリックパウダーなんてものもあるなぁ。よし、これも買って、今日のライスはターメリックライスにしてみよう。」

なんてことも起こりえるでしょう。

WEBサイトにおける内部リンクの充実とは、まさにこういう事です。
各ページが適切に繋がっているからこそ、ユーザーも検索エンジンも自由に巡回できる。
さらにカテゴライズできるコンテンツ同士はまとめてやり、ユーザーに関連ページも提案する。
この事がもたらすメリットは・・・言うまでもないですね。

さて、この点nanapiはどうなんでしょう。
トップページのキーワード検索で、「カレー」と検索してみました。するとカレーにまつわる記事を「関連度順」「人気順」でソートするほか、こんな見せ方も用意されていました。

nanapiでは検索結果でカテゴリを適切に表示してくれる

ページ量が膨大なnanapiですが、このような工夫で、ユーザーと検索エンジンをサイトのすみずみまで行き渡らせているのです。

その他にも、各記事ページにおいて、他の記事の紹介や、トップページのフッター部分に様々なカテゴリページへのリンクを設置するなど、nanapiは内部リンクの充実において、隅々まで徹底しています。

 

まとめ

 

以上のように、nanapiでは、「おもてなし」の精神をもったユーザーファーストSEOで、着実にPV数や収益を伸ばしているようです。

本記事で取り上げた「ユーザーニーズを捉えること」「隅々までのおもてなし」「内部リンク充実」は、どのサイトにも適応できる内容です。

繰り返しますが、ユーザーのことを考えず、検索エンジンからの評価だけを気にしてサイトを運営するのは、ボタンを掛け違えています。
ユーザーにとって親切であるからこそ、検索エンジンにも価値が伝わりやすいのです。

何か真似できそうな箇所がありましたら、早速あなたのサイトにも取り入れてみることをオススメします。

 

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

こんな記事もオススメ