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SEO業者の営業電話を、何も知らないフリして聞いてみた

2014/12/22カテゴリー:SEO対策コラム

先日事務所でお仕事をしていたら、某ゴリゴリ営業系SEO業者さんからゴリゴリ営業のお電話がありました。

SEO業者にSEOの営業してくるとか、とんでもねぇヤローだぜ・・・と思いながらも、当方はSEOに関して全く無知を装ってハイハイ話を聞いていました。

 

そもそもなぜウチに電話があったかというと、今会社で運営しているサイトのLPでリスティング広告を出稿しているんですが、そのLPを見つけて運営者情報から連絡してきたそう。
いわく、このページを検索エンジンで上位表示させますよ、という魔法のようなご提案。

 

…このページ、広告用に作成したただのペライチのLPだけど、本気で言ってんのかなこの人・・・とか思いながらも、「えぇ!?そんな事ができるのかい?!」とマスオさんばりにピュアなリアクションをしてみると、「そうなんですよ!実はいま、限られたお客様だけにこのサービスのご案内のお電話をさせて頂いておりまして・・・」と、教科書通りのテンプレ営業トークが飛び出してきました。

なんでも、「今のSEO」には、「内部対策が7割、外部対策が3割」だそうで、昔はこの比率が6対4くらいだったけど、最近はGoogleのアルゴリズムが進化して、7対3の割合だそうです。
で、そこの企業さんでは、独自の方法でサイトの「内部対策」の度合いに点数をつけているそうで、ある程度の点数があるサイトには「上位表示のポテンシャルがある」という事で、電話で勧誘を行うそうです。

これまた無知を装って、「その内部7割、外部3割っていうのは、Googleさんが公表しているんですか?」「その内部対策の点数っていうのは、どこで見れるんですか?」と尋ねてみても、「弊社のこれまでの経験によって独自に導き出したものです」とかわされてしまいました。

 

で、内部対策に関しては指示書による修正・改善提案があるようで、外部に関しては独自の強力なリソースを使ってアルゴリズムにひっかからない被リンクを供給してくれるそうです。

その「被リンク」がいかに強力か、ご丁寧にもこう説明してもらいました。

 

営業「実際にいま、GoogleかYahooで、”出口”って検索してみてください」

俺「(で、出た〜〜www)はい、しました」

営業「そうすると、1位にYahoo Japanが上がってますよね?」

俺「はい、上がってます!」

営業「なんで”出口”って検索してYahooが表示されるのか、不思議じゃないですか?」

俺「そうですねぇ、何でなんですか?」

営業「実は…大人向けのサイトって、年齢認証のページがありますよね?”入口””出口”って…」

俺「はい、ありますねぇ」

営業「その”出口”をクリックすると、たいはんはYahoo Japanに飛ばされるじゃないですか…」

俺「はい、…あぁ〜〜!なるほど〜〜!!!」

 

と、こんなかんじの茶番を小一時間程度真面目に繰り返しました。

 

核心に触れてみた

 

さすがに一時間も相手の話に合わせるのにも飽きてきたので、突然無知キャラを捨てて
「でもコレってペンギンとか完全アウトじゃないっすか?自動ペナ喰らったらどうするんすか?」
と、突然”ペンギン” “自動ペナ”というワードを出して質問。
それまでだいぶナチュラルピュアにお話を聞いていたので、向こうも突然リアルアルジャーノンに遭遇したような動揺が電話口から伝わります。

「ペ、ペンギンアップデートは、弊社のリンクは全く影響がありません。」
「常にGoogleのアルゴリズムを研究していますので、アルゴリズムにはじかれるリンクは使わなければいいだけの話です。」
「もしはじかれてしまっても、すぐにリンクを外しますので」
「これはテストの点数に似てて、いままでは”赤点”の基準が緩かったのですが、確かに最近Googleも進化しているので”赤点”の基準が高くなってきているんです」
「弊社ではこの”赤点”をクリアしたリンクだけを設置します」

なるほどな、そんな風に言われたら、詳しくない人は「なんかわかんないけどスゴい!」ってなっちゃいそうだなと思いながら、

「それって結局イタチごっこじゃないですか?」
「リンク外すって言うけど、確実にリカバリできる保証はあるんですか?」
「たとえリカバリできたとしても、検索結果から飛ばされてる期間中は甚大な機械損失をこうむりますよね?」
「実際に、御社のSEOやって自動ペナ受けて結局戻ってこれなかったサイト、ごまんとありますよね?」

と、ちょっと核心をつく質問をしてみました。どう切り返してくるのかなぁと思っていたら

「自動ペナルティですか?!いやぁ〜、そういった事例はないですねぇ…」

「ちょっと待ってくださいね、お調べしますので…」
と言い、数十秒間何やらキーボードをカチャカチャやる音を聞かせてくる。

 

「…すみません、いま私のいるグループの全案件の履歴を調べたのですが、いままで私共で手がけたサイトで、自動ペナルティを受けたっていう事例は、…いやぁ〜私の知る限りでは無いですねぇ〜…。」
「私はこの部署に配属されてもう5年目なんですが、自動ペナルティは聞いたことないですねぇ…。」

ここで、「え?御社の名前で検索したら、ペナルティがらみでトラブルになった事例がわんさかでますけど?」とでも言ってみようかと思ったんですが、面倒になってきたので、

「そうですか、じゃぁなんでウチの所に、御社のSEOが原因の自動ペナルティ解除の相談が来たりするんですかね?
とぶっちゃけてみた。

 

まさに「息を詰まらせる音」っていうのはああいう事なんですね。
いままで見込み客だと思ってた相手が、同業者だったなんて!

ここでようやく、電話の向こうで弊社のコーポレートサイトを見つけたようです。そこには思いっきり「SEO対策」と書かれているので、

「お客さん…、SEOやられてるんですね…」

と、はじめの頃のテンションとは天と地の差でトーンダウン。

 

そこでネタばらしして、「すんませんww自分も一応、SEOの勉強してますww」「ぶっちゃけ、被リンクの営業電話とか、今だいぶしんどくなってないっすか?ww」と、ちょっとした雑談の方向に持って行こうとおもったのに、もう向こうはテンション激下がり。カネにならない相手とは電話なんかしないと言わんばかりの、早く切らせてくれこの電話オーラがハンパなかったのでそのまま特に話は膨らまず、ついに終話しました。

 

 

サギとは言わないけど、アレは騙されるわ。

そんなこんなで結局1時間少々電話していたんですが、実に巧妙な営業技術だと思いました。
一般の人にとっては、まだまだSEOの実態なんてよくわからない。SEO業者がどんなことをしているのかなんて、完全にブラックボックス状態。
そんな相手に対して、「サイトの点数」「赤点」「Yahooの”出口”順位」のような割とわかりやすい例え話と、提供するリソースの規模感をアピールされたら、「なんかわかんないけどスゴい!上がりそう!」とコロっと持って行かれしまってもおかしくないかもしれません。

 

…電話営業、お疲れ様です。。。

 

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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