ファックSEO業者!Googleの著者情報廃止に思う事
2014/09/01カテゴリー:SEO対策コラム
はいはい。やはりという結果ですね。
Googleは2014年8月28日、剣客結果画面における著者情報の表示を終了するとの旨を発表しました。
この機能は2011年にスタートし、登録しておいたGoogle+のプロフィール画像と名前、Google+のフォロワー数を表示させていました。
GoogleのWebmaster TrendsAnalystのジョン・ミューラーが自身のGoogle+にて述べた英文324語をここに全文翻訳してみます。
ジョン・ミューラーの著者情報廃止に対するコメント全文
「オーサーシップ・マークアップと、それを検索結果に表示させる試みについて、私は開発当初から関わってきた。あらゆるウェブマスターとユーザーから多くの実用的なフィードバックを得ながら、工夫し、アップデートし、認知度の向上に努め、著者情報を(検索結果画面に)表示してきた。残念なことに、この情報は我々が期待していたほど、ユーザーにとって利便性のあるものではなく、検索結果からユーザーの注意を散らす可能性さえあるという事に、気づいてしまった。これを踏まえ、我々は著者情報の検索結果への表示を終了するという、苦渋の決断をするに至った。
(興味があるなら…。我々のテストによれば、著者情報を排除しても一般的にサイトへのトラフィックの減少は見られない。また、広告のクリック率も増えない。我々はユーザーエクスペリエンスを向上させるため、このようなチャレンジを行なっている。)
個人的には、みなさんを連れてオーサーシップの世界を旅して回った事は楽しかったし、興味深いものだった。変な癖があったり、バグがあったり、スパムとの戦いもあった。でも最もやりがいを感じたのは(これからもそうだが)、ウェブマスター達との交流が持てた事だった。オーサーシップの実装は簡単ではない。我々は、みなさん自身のユーザーのために、サイトを向上させるための、絶え間無いみなさんの努力に感謝したい。Thank you!
話を進めれば、我々は構造化マークアップのサポートを拡大する事を強く約束する(たとえばSchema.org)。このマークアップは全ての検索エンジンがWEBページのコンテンツと文脈をより良く理解させるための手助けとなり、我々はこれを検索結果のリッチスニペットに使用し続ける。
他に言うべき事と言えば、検索語句と関連性があれば、検索ユーザーはまだ友人とページからGoogle+の投稿が見られるという事だ。メインの検索結果の部分でも、右側部分でも。今回の著者情報の廃止は、このようなソーシャル機能には影響がない。
常に我々はみなさんがサイトを簡単に最適化できるよう、無料のツール提供を拡大し、向上させ続ける。改めてありがとう。これからもフィードバックを宜しくお願いします。」
「これからはオーサーランク」とか言ってた人たち
今年の5月くらいには、マット・カッツがYoutubeに上げた動画コメントを発端とした「これからは被リンクじゃなくてオーサーランクになる騒動」が巻き起こりました。
当時、正に上に訳したジョンミューラー達のチームがオーサーランクの品質向上に向けてトライアンドエラーを繰り返していた真っ最中。この時の騒動はマット・カッツが「Googleは今オーサーランクをどう検索結果に取り込むか熱心にチャレンジしている。うまくいけば、被リンクによる評価の割合は相対的に少しだけ少なくなるだろう」という旨を見解を示しただけのものであり、これを誇大解釈したブロガーまわりなどが「これからはオーサーランクだ!」と騒ぎ立てたのが大きくなっただけの話でした。
残念なのは、このような聞きかじった情報を鵜呑みにする経営コンサルタントなどが、知った顔で「これからのSEOはオーサーランクが重要になる」とかいうセミナーなどを、知識の乏しい人たちに弁を弄している点です。そもそもどうして、Googleが本当に著者情報を検索順位決定の指標に本格的に取り入れようだなんて、本気で信じてしまうのでしょうか。
考えてみればわかることです。Googleが検索エンジン上でもたらしたい理想像とは、言うならば真の利便性と公平性、透明性です。もしも一部の「オーサーランクが高い(笑)」著者によるページやサイトだけが優遇されるようになってしまったら、検索結果画面はどうなってしまうと思いますか?
かつて被リンクを検索順位の指標に取り入れたことにより、スパムリンク等の悪知恵に翻弄され続けているGoogleが、さらに外的操作可能な要素を今更本格的に取り入れるとも思えません。利便性も公平性も透明性も糞もないような、無秩序な検索世界に様変わりしてしまうであろう事は想像すればわかるはず。
結局、「これからはオーサーランクの時代だから」の次に彼らが言いたいことは、「Google+の登録を代行しますよ」「rel=”author”タグの設定を代行しますよ」「オーサーランクを高めるための方法をお教えしますよ」というビジネストークなわけです。いちいちGoogleの一挙一足を逆手に取って小銭を稼ごうという魂胆が見え隠れしています。
リンクはここでは載せませんが、実際にGoogle+の登録代行などをWEBサイト上で謳っている自称SEOコンサルタントさんもいくつか見られました。
今回の中止がなければ、「オーサーランクの高い著者ページからのリンク」を販売しようという業者が出現するのも時間の問題だったかと思います。かつてのページランクを逆手に取ったビジネスのように。
「SEOの歴史とはスパムの歴史」とはこの業界では有名な言葉で、検索エンジンの黎明期から、やれ被リンクだの、ページランクだの、IPアドレス分散型だの、中古ドメインだの、というスパミーな手法が編み出されは潰され、編み出されは潰されを繰り返してきました。リンクやドメインを有料販売する他、胡散臭いセミナーだの講演会だのが数多く催されてきたことと思います。
著者情報サービスは存続されていれば、間違いなくそういう類の人たちの肥やしの種になっていた事でしょう。Google側としては「思っていたより利便性が薄かった」という理由での廃止でしたが、個人的にはスパマー達の「穴」を塞ぐことになった、英断であると思います。
「これからはオーサーランク」と息巻いていた人たちは今頃、彼らの顧客にどう説明しているのでしょうか。
ファックSEO業者
僕としてはもう、SEO業者やその周辺の、「結局それスパムじゃん」というサービスを売りつけるのをいい加減、辞めにして欲しいと思っています。
僕の所にでさえ、未だに「絶対に安全な被リンク構築サービス」の営業や案内が届いたりします。以前にも書きましたが、そういったスパムSEOは最悪サイトを使い捨てるアフィリエイトにのみ通用する手法です。たったひとつのサイトで丹念にビジネスを行う人が手を出しては絶対にいけません。
サジェストSEOなんてのもありますよね。GoogleやYahooの検索サジェストに任意のキーワードを表示させるというもの。なんだか画期的なサービスのように見せていますが、これも結局スパム。サイトが飛ばされてしまった実例はゴマンとあります。
(さらに言うなら、サジェストSEOを提供してる”SEOコンサルタント”のサイトが大量のミラーページを抱えていたり・・・)
ところで先日、GoogleがSSL化されたサイトを検索順位において優遇すると発表しました。ハッキリと、優遇すると宣言しているのに、この手の業者はなかなか飛びつく様子がありません。なぜでしょうか?
サイトのSSL化においては、高度な技術とエンジニアが必要になります。被リンク提供もサジェストSEOも単純なものですが、もしかするとSSL化のような高度なサービスは取り扱えないのでは・・・と思ったりもします。
検索エンジンがあり続ける限り、不正な手法をパッケージングして売りつける業者も存在し続けると思います。近年ではそのいたちごっこでGoogleの方が数歩勝っており、業者の数も規模も減ったように思えますが、まだまだ「SEO関連の営業」はみなさんの所にやってくると思います。
どんな綺麗事を並べられても、「結局それスパム?」と思ったら・・・相手にしないほうが賢明です。
大切なサイトを失いたくないなら、よくよく考えてみてください。