「ウェブでのエンゲージメント評価はどうあるべきか論争」に一旦区切りを付けたい
2015/05/26カテゴリー:コンテンツマーケティング
たくさんの企業が、マーケティング活動のひとつのチャネルとしてソーシャルネットワークを活用しています。
しかし、ソーシャルネットワークは通常のWeb広告と異なり、効果測定が難しいもので、何を基準に判断すれば良いのか、未だ確立されていません。
そのため、企業としてのソーシャルの取り組みをどう評価すべきか、議論が続いています。
先日アナリティクス・アソシエーションから届いたメルマガコラムが興味深かったので、シェアします。
【メルマガコラム】ウェブでのエンゲージメント評価はこのまま行き詰まったままなのか
このコラムでは、以下のような事が述べられています:
- 「エンゲージメント」とは、顧客との関係性の深さ、愛着、共感、絆 というものである
- 本来のエンゲージメントはツールでは捉えられないはずだが、「いいね」や「リツイート数」と言った数値に振り回されているのが実情で、これは健全ではない
- 企業が予算や工数を割いてソーシャルに取り組む以上、これを支える評価基準がいい加減必要である
顧客との「絆」を数値化しようとするのは何でだぜ?
いろんな考え方がある中での一意見として捉えて頂ければ幸いですが、これって数値化するものなのか?と疑問に思う方もいるのではないのでしょうか。
そもそもTwitterなんて、ただの独り言発信ツールだし、
Facebookは友達との近況報告ツールです。
そこに企業がやってきて、やれエンゲージメントレベルがどうだとか、これをビジネスにどう活かせばいいんだとか、そんな事言われても…と。
もちろん企業として取り組む以上、何らかの形で数値化して、効果測定を行いたいのは事実ですが、
数値化できるものっていうのは限られています。
それこそリツイート数とかいいね!数とか、ソーシャルからの流入数、CV数とかですよね。
そういうものを測定するツールはいくらでもありますし、どんなポイントに着目すべきかについてはGoogleで”how to measure social engagement”とか検索すればいっくらでも出てくるから、それを参考にすればいいと思うんですが。
ここでの僕の主張は、「数値化出来るものは限られている」という事です。
もし、エンゲージメントという言葉の定義が「顧客との関係性の深さや愛着、絆」であるのなら、それを数値化しようというのはナンセンスではないでしょうか。
これは別にWebとかSNSに限った話じゃなく、「社員の会社に対する忠誠心や愛着を数値化して評価するにはどうすればいいんだ」とか「あの子が自分に惚れてるかどうか、数値化したい」みたいな話であって、視点がズレているような気がしてしまいます。
本文中で、「ソーシャルメディアで用いられる「エンゲージメント」は、あくまで「反応数、反応率」にすぎません。」と述べられていましたが、逆に言えば数値化出来る部分はそこしかないので、それでいいんじゃないかなぁ、とも思います。
そうやって数字として目に見える部分は羅針盤として大いに参考にしながら運営していければいいと思います。
悲観的にはなりたくない
ここで問題になってくるのは、「目に見える数値の部分で反応が無いから、この施策は効果が無いと判断して、辞める」という流れになってしまう事です。
本文でも、
例えば「フォローしてタイムラインやフィードに流れてくるけれど、見ただけ」といったカジュアルな接触であっても、関係性の構築に寄与するという意味で「エンゲージメント」の一種になり得るとも、私は思っています。広告でのビュースルーコンバージョンと似たとらえ方です。
と延べられている通り、数字として上がってこない部分であってもマーケティングとして役に立っている可能性はあるからです。
たとえばこのブログであっても、はじめのうちは全然いいねもリツイートもされなかったけど、ある時会った人に「ブログいつも見てます!」と言ってもらえたり、メールを貰えたりする事もけっこうあります。見てる人は見てくれてるんだなぁ、と嬉しく思った覚えがあります。
こういう「関係性」は数字に出来ません。たぶん将来も、皆がしっくり来る測定方法は現れないのではないでしょうか。
だからといって悲観的にならず、様々な工夫を凝らしながらいかに継続していけるか。
結果的にソーシャルエンゲージメントを高めていくポイントはこれに尽きると思います。
この話題については色々な考え方があると思いますし、異論も沢山ありそうです。
皆さんの意見もお聞きできれば嬉しいです。