今すぐ楽天サイトと本店サイトを作り変えるべき3つの理由
2015/03/05カテゴリー:実用SEO対策
日本でECサイトを展開する企業の多くが、独自ドメインでカートシステムを組んだいわゆる「本店」サイトの他に、モールに出店をしています。
最も多いのが楽天。それから、amazon、Yahooショッピング、ポンパレなど、複数のモール展開を行なっているところが多いです。
そこでよく目にするのが、「楽天サイトと本店サイトで作りが全く同じ」というパターン。
このパターンがなかなかやっかいで、本店サイトのSEOがうまくいかない原因はコレだったりします。
楽天サイトと本店サイトの作りを同じにしてしまう2つの理由
1.運営上の都合
僕自身、楽天ショップ運営の経験があります。毎日楽天RMSにログインして商品登録を行なったり、企画を考えてページを組んだり、楽天ECCから買った広告枠用のバナーを作ったり、と大忙しでした。
ユーザーの事を考え、なるべく魅力ある商品ページにするために、商品ページは「カタログ画像と商品スペックだけ」の状態を避け、ひとつひとつオリジナルで組んでいました。
商品撮影→写真編集→キャッチ考案→テキスト執筆→Dreamweaverで編集→商品登録まで1人でやらせてもらっていましたが、結構たいへんな作業なので1日にアップできる商品数は多くても4つほどでした。
そんな多忙な中で「本店サイト」の存在は葬られ、全く触れていませんでした。
本店サイトが既に人気があったり、SEOがうまくいっている場合なら良いのですが、そうでないなら大抵の場合、売上の主な源は楽天ショップになります。ただでさえやることに追われているのに、楽天運営に割く時間を、うまくいくかどうかもわからない本店サイトに回そうなんて、まず発想が出てきません。
少し人数に余裕があるところでも、やはり現場では「楽天ファースト」のワークフローになっています。
つまり「本店」の手入れは二の次。本店に回ってくるページは、楽天の「お下がり」になってしまうことも、僕は個人的に充分理解できます。
2.ノウハウがない
もうひとつの理由は単純にノウハウ、というか情報が無かった・知らなかった、というものです。
今記事のテーマですが、楽天サイトと本店サイトは同じ作り・同じ運営にしてはいけません。SEO上の理由があるからです。
しかし、その事を知らないショップが多いのです。
現場にお伺いすると、「えっ!楽天と本店って一緒じゃダメなんですか?」と驚かれる事がよくあります。
では、なぜ楽天サイトと自社サイトを分けて考えなければならないのか?
その理由は3つあります。
楽天サイトと本店サイトを分けるべき3つの理由
1.楽天ドメインは強力なので、コンテンツ競合を避けるべきだから
Googleは重複ページを嫌う事はご存知かと思います。これには明確な理由があります。
たとえばあなたが友人から「スター・ウォーズのDVDを貸して欲しい」と言われたとします。
あなたはスター・ウォーズのコンプリートDVDボックス(本店)と、コンプリートブルーレイボックス(楽天)両方を持っています。
さて、(友人がブルーレイ再生環境があるとして)あなたは両方貸しますか?
ありえないですよね。同じスター・ウォーズの作品でDVDボックスとブルーレイボックス両方渡されたら、
「DVDボックスの意味wwww」ってなりますよね。
Googleも同じです。同じ内容(または限りなく似た内容)のサイトorページが2つ以上あるなら、「優れている方」だけを検索結果に渡します。
両方出すというのは、基本的にありえません。あなたが先ほどの友人にブルーレイボックスとDVDボックス両方を出さないのと同じです。当然、ブルーレイの方が映像やら音質やらが優れているのだから、ブルーレイの方だけを出すわけです。
ECサイトでは基本的に楽天ショップの方が「優れている」と判断される事が多いです。
なぜなら、楽天ショップのサイトURLはすべて
rakuten.co.jp
search.rakuten.co.jp
item.rakuten.co.jp
のように、楽天ドメインの「下層ページ扱い」になっているからです。
言わずもがな、楽天ドメインは非常に強力です。
Googleの立場から考えれば、同じ内容のサイトやページがあって、片方がよく知らんドメインのサイト、もう片方が信頼と実績の楽天ドメインのサイトであれば、どちらを検索結果に出すか、もうおわかりですよね。
以上の理由から、強力な楽天ドメインと本店ドメインとで、コンテンツをムダに重複させてはいけません。
サイトコンテンツが重複してしまっていると、Googleからの評価は本店には行かず、楽天に吸収され続けてしまいます。本店に行くはずの養分を楽天が奪い、どんどん肥大化していきますよ。
楽天は楽天、本店は本店で分けて運営するのが理想です。
2.流入経路が違うから
“本店に行くはずの養分を楽天が奪い、どんどん肥大化していきますよ。“と言いましたが、これは非常にマズいんです。
なぜなら、楽天サイトの流入元のほとんどは、楽天内検索だからです。つまり、楽天は楽天モール内でユーザーが循環できるからいいんです。
極端に言えば、検索エンジンからのアクセスは重視しなくても最悪アクセスは確保されるのです。
ところが本店は違いますよね。本店はとにかくGoogle、YahooからのSEO流入が命です。
そこに必要な「養分」を、楽天が横取りしてブクブク太っていくんです。
マズくないですか?
3.ランディング場所が違うから
先述したように、楽天サイトの主な流入元は楽天内検索です。
そして、そのランディング場所(着地場所)は、商品ページです。
対して本店は検索エンジンからの流入となります。
検索エンジン上では、サイト内で末端に位置する商品ページよりも、トップページやカテゴリページ、コンテンツページに評価が付きやすいため、このページがランディング場所となります。
このように、楽天サイトと本店サイトではユーザーの入り口が異なってくるわけです。
と、言うことは本店サイトでは楽天サイト以上にトップページやカテゴリページ、特集ページの作り込みが必要になるのです。
ユーザーの行動フローが異なるのであれば、当然それに合わせたページ展開をしなくてはなりません。
さらに言えば、検索エンジン評価のフックとなるのはトップページやカテゴリページ、コンテンツページとなります。これらの作り込みや手入れなくして検索エンジンからの評価は得られません。
以上の3つの理由から、本店サイトと楽天サイトは分けて運営しなくてはいけないのです。
では、実際にどれくらい作り分けをすればいいのでしょうか?
明確な基準はありませんが、実際に体験したノウハウからアドバイスさせて頂きます。
本店サイトと楽天サイトはこう分けろ!
全部変える
難易度:★★★★★
はい。
できることなら全部変えて下さい。これが一番間違いない方法です。ただし、商品ページも作り変えろっていうやつです。現実的にムリがありますね。わかりますよ。
ではコレならどうでしょう?
商品ページ以外全部変える
難易度:★★★★☆
トップページ、カテゴリページ、コンテンツページは分けましょう。
異なるレイアウト、異なるテキスト、異なるコンテンツを展開します。
このとき、本店サイトの方が情報が濃くなるようにバランスを取ります。
作り変える=リニューアルという事ですよね。時間も費用もかかってしまいます。ですよね、わかります。
なのでここからは、今スグできる対策についてアドバイスします。
今スグできる!本店&楽天対策
本店に足し算する
難易度:★★★☆☆
先ほど、「本店サイトの方が情報が濃くなるように」と延べました。
楽天より本店のほうが情報価値として優れているように作りこんでいくのです。
そうすれば、楽天に取られる”養分”を取り戻せるようになります。
では、どうすれば本店の情報量を強化できるでしょうか。
本店独自企画を展開する
楽天ではやっていない、本店サイト限定の企画を実施します。
べつに「本店限定のキャンペーン・セールをしろ」というわけではありません。
ここでの企画というのは「コンテンツ」の意味です。
たとえば取り扱っているブランドについて解説したり、ブランドに対する店主の想い入れやエピソードを語るコンテンツ、
ひとつの商品をピックアップして徹底的にレビューするコンテンツ、
季節ごとのオススメの商品や使い方を提案するコンテンツ、
日替わり・週替りで商品のコーディーネートをアップするコンテンツ、
スタッフが商品を実際に「使ってみた」様子をレポートするコンテンツ、などなど…
考えればキリがないくらい、企画内容は出てきますよね。
あなたのチーム内の「強み」「得意」「好き」を活かしたコンテンツを本店だけで展開していきましょう。
同じページでも、本店にはプラスアルファする
同じページがあれば、情報量が多い方が評価されます。これは当然ですね。
楽天はユーザーレビューが付きやすかったりするので、楽天の方が情報量が勝ってしまうケースが多いです。
これではいけないわけです。
そこで、同じページであっても本店の方にはプラスアルファの情報を掲載します。
たとえば楽天の商品ページでは1から10まで説明する。対して本店では1から12まで説明する、みたいなイメージです。
「実際はどれくらいの量を増やせばいいの?」という問いに明確な答えはございません。
1〜2行でもいいです、というのも答えですし、
2倍以上ガッツリ増やして下さい、というのも答えで、どちらも正解だと思います。
大事なのは「少しずつでもいいから本店の情報量を増やす」という考えを持っているか、持っていないかの違いです。
コンテンツを部分的に変える
難易度:★★★☆☆
出来る限り、楽天と本店でコンテンツを変更します。部分的に変えるには、こんな小ワザを使います。
ランキング内容を変える
「今月の売上TOP」「よく見られている商品ランキング」など、ランキング形式のコンテンツ(コーナー)を持っているショップは多いと思います。
そこでこのランキングの内容を楽天と本店とで別々にしてしまうのです。
レコメンド商品を変える
「店長のオススメ」「今月のピックアップ商品」などのおすすめ商品の内容を全く違うものにします。楽天と本店とで別々の商品をピックアップし、別々の紹介文・解説文を用意します。
この2つなら日常業務内に落とし込みやすいのではないでしょうか?
他にも楽天と本店とで「使い分け」できる武器があるはずですので、知恵を絞って別コンテンツを考えましょう。
テキストを画像化する
難易度:★★☆☆☆
最後は若干小手先になってしまいますが、これも有効であることは事実です。
Googleは画像内に書かれている文字・文章を読み取る事ができません。
そこで、楽天に掲載しているコンテンツの文章を画像にしてしまうのです。
上のイメージのように、本店と楽天でおなじ内容のコンテンツを保有している場合は、楽天の方のみテキストをすべて画像にし、差し替えます。
こうすることで、検索エンジンは楽天に掲載されている文章を認識できなくなり、「重複」という問題は解消され、「本店が独自のコンテンツを持っている」という事になります。
まずは既存で上がっている楽天内のコンテンツを可能な限り画像化し、今後コンテンツをアップする際は楽天のみ画像でアップするという運用ルールを設けるのです。
ちなみにこの行為は、検索エンジンを騙す行為なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、全く違います。
この場合、「クローキング」という行為と勘違いされるかもしれませんが、クローキングは「人間と検索エンジンに異なる内容を表示させる」ことです。
まとめ
楽天サイトと本店サイトで運営スタンスを分けるというのは、時に勇気がいるものです。
「楽天の売上が下がってしまったらどうしよう」と不安になるかもしれません。
しかし、僕は「楽天はないがしろにしていいから、本店だけ可愛がれ」という事は一言も言っていません。
とにかく情報量のバランス比重を、本店>楽天にすればよいのです。
徹底的に、そして地道にやり続けましょう。やり続けて、ショップ名や商品名でGoogle検索したときに自社楽天サイトより本店サイトの方が上に上がってくるケースもあります。
- 本店に足し算する
- コンテンツを部分的に変える
- テキストを画像化する
この3つは比較的取り組みやすい施策になります。
繰り返しになりますが、Googleは同じ内容のサイト・ページがあれば優れている方のみを優遇し、劣っている方は無視します。
今、楽天サイトは「楽天ドメイン」という武器でシードを得ています。この状況を逆転させましょう。
コンテンツ企画などにお困りでしたら、是非ご相談ください。