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全てのリンクにno follow?スパムに対するGoogle最新見解と5つの質問

2014/06/30カテゴリー:実用SEO対策

anti-spam

少し前の話題になりますが、2014年5月15日にGoogle主催のイベント「Hosting Meetup @ Google」というものが開催されました。
このイベントは、ホスティングサービス運営者を対象にしたイベントで、みんなが気になるスパムSEOとスパム対策について取り上げました。
あたかも僕行ってきましたみたいなノリで書いてますが、余裕で行ってないです。

そして、このイベントの内容をまとめて解説した動画が6月10日にYoutubeのGoogle Webmastersチャンネルにアップされていました。

今回の記事では、この動画で話されている内容をひったすら書き起こしています。タイピングの神に触れた気がするよ。
動画は30分以上ありますので、なかなか最後まで観るのがしんどかったりしますが、こうやって文字になっていれば、電車の中でもサクッと読めちゃうでしょ。親切!さすが!

主にGoogleのスパムに対するスタンスと、ホスティングサービス運営者におすすめする対処法など、大事なことをサラッと話されていました。
そして後半では、イベント内で挙がった興味深い質問を5つ取り上げています。
企業サイト運営者さんも、アフィリエイターさんにも、是非是非目を通していただきたい内容です。

それでは、レッツゴー!


 

ホスティングサービスとGoogle検索

ホスティングサービスの信頼性って大事だよね、ということで、多くの方が使う、多くのユーザーを抱えているホスティングサービスの方々が、質のよいコンテンツをたくさん作っていて、かつ多くの方からアクセス可能な状態にする状況を作っていく、というのが基本の姿勢です。

ホスティングサービスを振り返ってみますと、手軽に無料でサイトを簡単に作成できるということで、 それによってインターネット上で多くの人がコンテンツ、情報発信できる、それを見る事もできる、検索ユーザーとかですね、インターネットユーザーがたくさんホスティングサービス中にある役立つサイトから情報を得ることができる。
更にグーグル検索的な立場から言うと、グーグル検索からも多くのアクセスができるといい。そうするとみんながハッピーと言いますか、検索ユーザーもホスティング上で情報をアップしている方々も、ホスティングサービス運営者の方々も、みんながハッピー。その状況を作りましょう。

一方で、”手軽に無料で簡単にサイトを作れる”というその便利な部分を悪用して、スパムサイトを大量に生成する、というようなケースも見られているという事が今回のポイントです。

スクリーンショット 2014-06-29 19.33.30

ホスティングサービスの悪用と対処法

大量にブログたくさん作って、価値の無い情報をたくさん作って、一発お金を稼ごうとか、そういう事をやっているオーナーは実は日本でもたくさんいるという状況になっている。そういう状況は良くないよね、と。誰にとっても良くない状況だよね、という事で、じゃぁどうしたらそういうスパムサイトを減らしていくことができるか、防ぐことができるか。
Google検索におけるスパムサイト、スパムサイト対策というのは、ウェブマスター向けガイドライン、品質に関するガイドラインというものを公開して、もしこれに違反するような事があったら、アルゴリズムによるスパム対策と手動によるスパム対策、両方の方法を通して対策をしていきます。
そういう事にならないために、どうしたらいいかという事で・・・
ホスティングサービスを提供している方にとってまずコレができるかなぁと、今回僕らが強いご提案としてお話しているのが、
ウェブマスターツールの利用です。

 

ウェブマスターツールの利用


何かインパクトのあるスパム対策、手動によるスパム対策を行なった場合は、そこから再審査を通して復活していくとか、こちらから情報をご案内するという事はすべてウェブマスターツールを起点に行なっていきますので、ウェブマスターツールを使っていただきたいです。

point1

 

かつ、ユーザー単位、サイト単位でウェブマスターツールの利用を可能にしていただくという事が良いのかなと思っています。
たとえば、ホスティング上でスパムサイトがあり、手動による対策がかかりましたと。
ホスティングサービス運営者がスパム行為をしているのではなく、ユーザーがされていると。そうすると手動対策ビューワーのところにズラ~っとガイドライン違反みたいなものがもし並んだとしても、どういう状況かっていうのがホスティングサービス側ではなかなか把握できなかったり、そもそも対処するというのがなかなか難しいという事があると思っています。
なので、やっぱり、何かガイドライン違反になるようなことをしている場合っていうのは、サイトを運営している方に把握して対処をして頂くっていうのが、よりスケールするというか、効率的な対処方法になっていくと思います。

ガイドライン違反の中には、ハッキングなどサイトオーナーの責任でないものもあるが、それもサイト単位で気付くという事が重要かと思いますので、サイト単位レベルでウェブマスターツールを利用可能にするという事をご検討ください。

 

スパムサイトを見つけたら

もう1つは、スパムサイトを見つけたらどうしたらいいのか、について。
ユーザーによる対処を推奨します。
たとえばガイドライン違反というのが、ホスティングサービスの運営上でわかった場合は、「こういうガイドライン違反があるようですので対処してください」という連絡をユーザーにすることができます。
もちろんより抜本的な解決としては、サイト単位でのウェブマスターツールでの利用を設定していただくという形はいいのかなと。

 

point2

 

もう1つは、悪質なスパム行為に対しての明確な姿勢を示す、という事で、
私達のホスティングサービスはそういうスパム行為を許しませんよ!っていう事をポリシーとして設定して頂くっていうのがまず重要だと思います。
もちろん検索結果上に何かインパクトがあるというのもあるんですけど、同時に、ホスティングサービスを利用する方にとって、ホスティングサービスの例えば新着記事みたいなところに変な価値のないサイトが上がってしまうっていうのは、ホスティング上のブログ記事を読みたいユーザーにとっても利便性を損なうものですので、
そういう意味でもそういうスパムサイトに対してポリシーを設定していく。
もし悪質な行為が見られるという場合は、例えばサイトとか、あるいはアカウント単位で削除をしたり、アカウント停止をしたり、そういう厳しい姿勢が重要になってきます。

 

スパムサイトをいかに防ぐか

3つめとしましては、ホスティングサービス上の性質から、スパムサイトをどうやって防いでいくことができるかなというところで、2つのパターンに分けて説明します。
1つは、そもそも大量に、簡単に、技術的にもそんなにハードルが高くなく、サイトを生成できるというところを突かれることがあるので、何かそういう悪質な意図をもって、アカウントとかサイトを使い捨てのように大量に生成するみたいな事ができないような仕組みを導入する。
例えばアカウントを作る時に、これは人手で何かやらないとアカウントが作れないような、機械的に作ることを防ぐような仕組みですね。キャプチャみたいなものもあると思います。

point3

 

誰でも簡単に作れるという事はとてもいい事で、例えばインターネットの知識があまりないような初級レベルのユーザーの方もいらっしゃって、
そういう人もブログを持てるといういい部分もありますが、
一方でそういう初級ユーザーの方がもっと多くの方にアクセスしてもらいたいという事から、誤ったSEO知識みたいなこととか、こうやったらアクセス上がるぞとか、検索結果上でランキングが一気に上がりますみたいな、誤った情報を誤ったものだと知らないままに手を染めてしまって、結果としてウェブマスター向けガイドライン違反になってしまっているというような状況もあると思います。
そういう事を防ぐために、初級ユーザーの方に対して、「こういう事はウェブマスター向けガイドライン違反であり、あなたのサイト運営にとってネガティブなインパクトになる可能性もありますよ」という、いわゆる啓蒙みたいなところでも何か出来る事があるかもしれないと考えています。

 

総括

 

最後にまとめとして、Googleがホスティング上の良いサイトを見つけやすくなって、アクセスが増え、情報を探している人にとってはホスティング上の「良いサイト」にたどり着きやすくなる。そうするとホスティングサービス運営者にとっても、Google検索にとっても、検索ユーザーもホスティングの利用者もみんながハッピーになる。そういう状況を目指していくためにGoogle検索と相性の良いサービスの構築ということで、

  1. そもそも検索からアクセスできるようにすること
  2. スパムサイトを削除していく

この2つの柱が今回の大きな内容です。

総括

 

質疑応答

 

ここでいくつかイベントで出た質問をご紹介して、どういう形で僕らがお答えしたかという事をご案内していきます。

ホスティングサービス側がスパムポリシーを設定するメリットは?
サービス上のスパムサイトを対策しなかったらなにか問題はありますか?

Google検索の話だったら、「こういう事をしなきゃいけない」という話だと思うけど、そういうのを考えない時にホスティングサービス側って「こういう事は別にやんなくていいんじゃないの」みたいなツッコミを頂きました。それに対して・・・
1つは、本当にスパムによって圧倒されてしまったようなドメインがホスティングサービスとして存在する場合、そのドメイン単位での手動による対策、というものが取られる可能性があります。
もう1つは当然、サービスのユーザーとして、自分の使っているホスティングサービスがスパムばっかりだっていうのは、決して気分の良いものではありませんし、
例えばトップページに行って、最近の新着記事をチェックしようと思ったら全部スパムだった、っていうのは必ずしも良いユーザーエクスペリエンスではありませんし、
サービスの評判としても良くはないかなと思います。
究極的には良いコンテンツの溢れる、良質なウェブを作っていくというのが全ての方に対してのメリットになると思いますので、是非スパムポリシーの設定や、先ほどおすすめした対策を取っていただければと思っております。

ホスティング上のサイトのほとんどがスパムサイトになってしまった場合、ホスティングサービス自体が信頼できなくなり、ユーザーにとっての利便性を提供しないようなものだと判断した場合は、そのサービス単位、ドメイン単位で対処をすることがあります。僕らとしても避けたい事態なのですが、可能性としてはあります。

 

ユーザーがウェブマスターツールを利用できるようにするメリットは?

基本的にはユーザーの持っているサイトが、例えば手動による対策の対象になった場合、それをユーザー自身が確認し、手動による対策の原因である、ウェブマスターガイドライン違反をユーザー自身が取り除く事ができるようにするためです。

そして、もちろん手動によう対策であるとか、ウェブマスターガイドラインとは別の、一般的なサイト運営という側面からも、
例えば検索クエリの機能を利用するとか、インデックス数の確認機能を利用するとか、そういった事はユーザーにとっての大きなメリットとなると思いますので、先ほど申し上げた2つの柱の両方の観点から、ユーザーがウェブマスターツールを利用できるようになるというのは非常にメリットがある事だと思います。

もちろんホスティングサービスの規約違反のものは、アカウント・サイトの削除だったりということを今はして頂いている事かと思いますが、
基本的にはユーザー側での対処というものを行なって頂く、という方向にシフトして頂く事で、運営側でも負担の軽減になるかなと思っています。

 

ユーザーサイト上からの不自然なリンク対策として、サービス全体でリンクに全てのリンクをrel=nofollowにする、といった対策を検討していますが、問題ないでしょうか?

1個1個やるのは面倒なので、一気にやっちゃいましょうという事だと思うのですが、
これはちょっと・・・できれば避けていただきたいかなと思います。
当然ながらユーザーが貼るリンクというのは、ほとんどがオーガニックで自然なものだと思うんですね。そういったものをあえてno followにする意味というのは「無い」です。
できれば避けていただきたいです。
ほとんどは良いリンクですので、そこがポイントかなと思います。

 

ウェブマスター向けガイドライン違反となる箇所を、Googleのクローラーだけに見せないようにするのはOK?

 

Google botだけに選択的に別のコンテンツを配信するというのはクローキングになる可能性がありますので、基本的にはサイトを削除していただく、あるいはウェブマスターガイドライン違反となっている箇所の根本的な対処を行なっていただきたいです。

基本的にGoogle側に対しては、ユーザーが見ているものと同じものを返していただきたい、というのが一番基本のところですので。

 

AjaxやJavaScriptなどのコンテンツはインデックスできているのか?

Googleとしましては、できるだけJavaScriptを利用したリッチなコンテンツをレンダリングして理解して、それに基づいて検索ユーザーの皆さんに「このサイトにはこういうコンテンツがある」という風なサジェストをするということに努めております。
実際に本当に多くのサイトのJavaScriptをレンダリングして、内部で理解しているという事をやっております。
本当に自分のJavaScriptを利用したwebサイトがインデックスできているのかどうかというのを確認するためには、こないだ新しくFetch as Googleに「取得してレンダリング」という機能を追加しましたので、こちらの機能を是非ご利用頂いて、確認していただければなと思います。
その際に例えばrobots.txtとかでクローリングがブロックされているというようなリソースがあった場合には、ウェブとしてはそのリソースを取得する事ができませんので、うまくレンダリングすることができないのですが、そういった情報もFetch as Googleで表示されますので、そちらを確認していただければなと思います。

>>>Ajax、JavaScriptのインデックスについて詳しくはコチラの記事も
JavaScriptやAJAXのコンテンツをGoogleはどれくらい認識できるのか?

 

SEO Scene解説

まっとうなサイト運営をしていれば、このようなスパムに対するポリシーなどは気にしなくてもいい話題かと思いますが、
文中にありますよに、「誤ったSEO知識みたいなのを知らないままに行なってしまい、結果としてスパム行為になってしまう」というケースは、特にウェブにあまり詳しくない方なら誰でも起こりえるものだと思います。
そういうケースに対してGoogleはとにかく「ウェブマスターツールを使ってくれ!そこでだいたい対処できるから!」というスタンスを持っているようです。

もし手動による対策が実行された際には、基本的にかならずウェブマスターツールを通じてメッセージが届きます。このメッセージはウェブマスターツール導入前に届いたメッセージもさかのぼって保存してくれていますので、もし何かドメインに対して不安があり、ウェブマスターツールを導入されていないという事でしたら、是非導入をおすすめします。
たとえば中古ドメインを取得した後とかですね。

 

あと、最後の質疑応答では、結構「おっ」となる質問が出ましたね。
特に「ユーザーサイト上からの不自然なリンク対策として、サービス全体でリンクに全てのリンクをrel=nofollowにする、といった対策を検討していますが、問題ないでしょうか?」というもの。

まぁ、基本的には良いリンクばかりだから・・・という返答通り、倫理的にやめてくれ、という事ですが、
逆に言うと、こんな「最終手段」に近い対策を実際に検討しているホスティングサービスがあるというのが驚きです。
スパムに対する厳しい姿勢を取るのは大切なことですし、ぜったいに必要な事だと思いますが、
それの影響で健全なユーザーまで悪影響がでるのは困りますね。

 

さて、今回の内容で、ホスティングサービス側も思った以上にユーザーのスパム行為に悩まされ、あれこれ対策を考え、具体的に検討段階に入っているんだなという事が浮き彫りになったように思います。

赤信号みんなで渡れば怖くない、とかやってるうちに
いつトラックがぶっこんでくるかわかんないですよ。

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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