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例えば、Googleアナリティクスでコホート分析ができる時代になった!

2015/02/23カテゴリー:Googleアナリティクス

Googleアナリティクスでコホート分析が出来る時代になった

Google Analyticsにベータ版として「コホート分析」(コーホート分析)という項目が追加されました。

アナリティクスのコホート分析

つーか、コホート分析て何?

コホート分析とは、平たく言えば「時間の経過に伴うユーザー行動の変化」を可視化する分析方法です。
たとえば、1月に訪問のあったユニークユーザーのうち、2月は◯%戻ってきて、3月には◯%にまで減って…というように「ユーザーの定着度」を分析したり、
初回アクセスから1ヶ月後に購入に至ったユニークユーザーは◯%で、2ヶ月後は…という「コンバージョン行動への変化」を分析したりします。
それらをわかりやすく表にまとめて、行動変化率を可視化する事ができます。

 

やろうと思えば、今までもアナリティクス上で出来た

コホート分析自体はこれまでもアナリティクスを活用して再現できました。「やろうと思えば」ね。

この手順が、ちょっとめんどくさかったんです。「ユーザーの定着度」をコホート分析しようと思ったら、
例えば2014年1月初回訪問のユーザーから2015年1月初回訪問のユーザーまで、1年分のセグメント設定をして、
アナリティクス上で比較期間選択をして、自前でエクセルにポチポチ書き込んでいく…という、だいぶアナログな作業をやっておりました。

ちなみに1年前当時、僕がエクセルでせっせと作っていたコホート分析表はこんなかんじです。

コホート分析のサンプル

 

コホート分析がグーグルアナリティクスの標準機能に!

そんなコホート分析が、なんとこの度アナリティクスの標準機能に追加されました。
一応、まだ「ベータ版」ということなので、削除されたり機能改善されたりするかもしれませんが。

 

アナリティクスでのコホート分析の設定内容

ユーザー>コホート分析と進みます。

任意のセグメントと、「コホートの種類」「コホートのサイズ」「指標」「期間」の設定ができます。

コホートの種類

ここでのコホートの種類とは、こういう事らしいです。

The dimension that’s the basis of the cohorts. You can only select one dimension at a time. The Cohort Type corresponds to the table column that includes the total number of users in a cohort.

For example, if you select First Sessions, the cohorts are grouped based on when users started their first sessions. First Sessions is the only option that’s currently available.

つまりこういう事です:

コホートのベースとなるディメンションだよ。1回につき1つしか選べないよ。「コホートの種類」がコホート内のユーザー総数を含む表の縦軸になるんだよ。
たとえば、「ユーザーを獲得した日付」を選んだら、ユーザーの初回セッション開始ベースのコホートになるってことだよ。つっても今のところは、「ユーザーを獲得した日付」しか選べないんだけどね。

ユーザーを獲得した日付は、ユーザーによるコンテンツの利用が最初に認識された日付です。 コホート分析レポートでこの項目が選択されている場合、コホートはユーザーが最初のセッションを開始した日時に基づいてグループ化されます。

 

コホートのサイズ

コホートのサイズとは、こういう意味らしいです:

The time frame that determines the size of each cohort. This corresponds to the date and number of users in each cohort cell in the dimension column.

For example, if you select Day, the cells in the dimension column display a single date and the number of users organized into the cohort for that day. If you change your selection to Week, a date range appears, and the number of users organized into the cohort for that week also appears.

 

つまりこういう事です:

それぞれのコホートのサイズを決める、時間枠のことだよ。ここで決めたサイズが、表の横軸でのそれぞれのセルの日付とユーザー数になるよ。
たとえば、「日別」を選んだとしたら、表の横軸は日毎になって、その日のユーザー数が表に書き込まれるって事ね。「週別」にしたら、期間が表示されるようになって、その週のユーザー数に変わるってことだよ。

「コホートのサイズ」で選択できる項目

  • 日別
  • 週別
  • 月別

 

指標

指標とは、こういう意味らしいです:

The metric that’s being measured for each cohort. You can only select one metric at a time. The metric corresponds to all columns in the table, except the Cohort Type column, which displays the dimension.

For example, if you select Session Retention, each Day displays the percentage of users in each cohort that had a session that specific day.

 

つまりこういう事らしいです:

コホートで計測する指標だよ。一回につき1つしか選べないよ。ここで選んだ指標が、表の軸の内容を決定するよ。(ディメンションを示しているコホートタイプのセルを除く)
たとえば、「ユーザー維持率」を選んだとしたら、日別の表示内容は特定の日からコホートされたユーザー数の割合を表示するよ。

「指標」で選択できる項目

ユーザー

  • ユーザーあたりのセッション
  • ユーザーあたりのセッション継続時間
  • ユーザーあたりのトランザクション
  • ユーザーあたりのページビュー
  • ユーザーあたりの収益
  • ユーザーあたりの目的の干渉数

合計

  • セッション
  • セッション時間
  • トランザクション数
  • ページビュー数
  • ユーザー数
  • 収益
  • 目標の完了数

定着率

  • ユーザー維持率

 

期間

期間とは、こういう意味らしいです:

The time boundary that determines what data appears in the report. This corresponds to the number of rows in the table.

For example, if you select the Last 7 Days, there will be a total of 8 rows in the table: one for each of the past 7 days, and one for sum of all cohorts.

つまり、こういう事らしいです:

レポート内で使用するデータの集計期間だよ。ここで選択した「期間」が、表の行になるんだよ。
たとえば、「過去7日」を選んだとしたら、表は過去7日分と、合計を表示する行の、合計8行になるね。

「期間」で選択できる項目

コホートサイズで「日別」を選択した場合

  • 過去7日
  • 過去14日
  • 過去21日
  • 過去30日

コホートサイズで「週別」を選択した場合

  • 先週
  • 過去3週
  • 過去6週
  • 過去9週
  • 過去12週

コホートサイズで「月別」を選択した場合

  • 先月
  • 過去2ヶ月
  • 過去3ヶ月

 

コホート分析をやってみよう

 

では実際に、Googleアナリティクスのコホート分析を試してみよう。
とあるECサイトのアカウントで、コホート調査をやってみたいと思います。

まずは設定

上で解説した、「コホートの種類」「コホートのサイズ」「指標」「期間」をそれぞれ設定しましょう。

「コホートの種類」は、いまのところ「ユーザーを獲得した日付」しか選択できません。ヘルプで「いまのところは」と記述してあるので、今後追加されていくものを思われます。

「コホートサイズ」は個人的には月別が好ましいと思いますね。
ユーザーの動きを追うわけですから、日別、週別ではちょっと期間が短すぎるかと思います。

日別、週別が適しているシチュエーションとは

とはいえ、状況によっては日別、週別の方が適しているパターンも充分あると思います。
ユーザーの動きを日毎、週毎で追いかけて分析したいような状況ですね。

最初にアクセスがあってから、何日目に問い合わせをしてくれたか?というものを計測すれば、
たとえば初回のアクセスから3日後の問い合わせ率が高いが、4日目以降は激減する、などがわかるようになります。

それから、セールの数日前にサイトで告知を行なって、実際にセール当日、◯日後に何人がちゃんと戻ってきてくれたかな?とか。

週替りプレゼントの企画なんかをやっている場合も、翌週、翌々週にリピートセッションがあったかな?とか。

それぞれのシチュエーションに合わせて、コホートのサイズは調整してください。

 

さて、つぎは「指標」を選んでみましょう。いろいろあるけれど、いちばん一般的なのはやっぱり「ユーザー維持率」かな?
それから、リピート購入を計測できる「目標の完了数」や、リピート訪問ユーザーの回遊率を計測できる「ページビュー」も分析するべき指標ですね。

「ユーザー」と「合計」の違いとは

指標の選択項目をよく見ると、「ユーザー」グループと「合計」グループで同じ内容が並んでいます。
「ユーザー」の方の指標は、全体総数をコホートの合計サイズで割った値だそうです。1ユーザーあたりの平均値という事ですね。

「セッション」を例にとると、以下のような説明がなされています。

ユーザーあたりのセッションとは:

コホートにより開始されたセッションの総数をコホートの合計サイズで割った値。

合計のセッションとは:

期間内の合計セッション数です。 セッションとはユーザーがウェブサイトやアプリなどに積極的に関わっている期間を指します。すべての使用状況データ(スクリーン ビュー、イベント、e コマースなど)はセッションと関係します。

 

最後に期間です。いまのところ、コホートのサイズで「月別」を選択しても、最大で過去3ヶ月までしかとれません。できれば過去1年分取れるように機能改善されればいいなと思います。

以上の設定でコホート分析をしてみました。

 

analyticsでのコホート分析

コホート分析はどう使うのが正しいか

コホート分析の実力を最も発揮できるのは、ECサイトです。
さまざまなセグメントごとに「ユーザー維持率」を分析してみましょう。

  • PCのユーザーとモバイルのユーザー、定着率が高いのはどっち?それは何故?
  • 全体ユーザーと、コンバージョンに至ったユーザーとでは定着率にどのような変化がある?
  • ある日・週・月から、定着率が増えた・減ったタイミングはないか?そのタイミングでサイトのリニューアルやキャンペーンを行なっていないか?

など、時系列的なセグメント分析を行います。

現在ではコホートの種類が「ユーザーを獲得した日付」しか選べませんが、ここの種類が増えれば、さまざまな角度から計測することができるようになると思います。

 

 

※この記事は2015年2月22日現在のものです。
追加機能がありましたら追記します。

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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