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CSS Nite「サイト改善に近道なし!知っておきたい実践的なユーザー理解手法」in名古屋に参加してきました

2015/03/17カテゴリー:名古屋SEO/Webマーケティング

css nite in nagoya report

2015年3月10日に開催された CSS Nite in NAGOYA Vol.11に参加してきました。

テーマは「サイト改善に近道なし!知っておきたい実践的なユーザー理解手法」

名古屋でデザイナー、クリエーター向けでなく、Webマーケティング系のイベント、勉強会が行われる機会って貴重だと思うので、迷わず参加でした。

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※画像はベースキャンプ名古屋さんのスタッフブログから拝借

 

ちなみに内容はこんな感じ(CSS Nite in NAGOYAのサイトから抜粋)

オウンドメディアであるWebサイトは、売上、会員獲得、アクセス量…など、マーケティングツールとして何らかの成果が求められます。
KGIやKPIなどの目標設定を掲げ、そのための施策を組み立てる前に、現在のWebサイトでは、何が課題となっているのかについての見極めの精度が不可欠です。
運営する側の方はもちろん、サイト制作者も、課題設定について明快に回答できなければなりません。

今回は、サイト制作の現場で実際に使っている問題発見手法のあれこれを、それぞれの特徴や違いにフォーカスをあててご紹介します。

  • DMPを用いたユーザー分析(IntimateMerger)
  • アクセスログ解析
  • ヒューリスティック評価
  • ユーザーインタビュー調査
  • アンケート調査

また、Webサイトリニューアル検討時に行う問題発見のための調査設計の実践事例ご紹介します。それぞれの問題発見手法をどのように組み合わせるのか、ぜひ、参考になさってください。

講師は株式会社アンティー・ファクトリーでコンサルタント/マーケティングリサーチャー/アナリストを務める中川雅史さんでした。

とってもタメになるお話でしたので、触りだけざっくりとまとめてみます。

サイト改善の流れ

現場のよくあるケース

  • 目標設定が曖昧なので、ギャップがどの程度か具体化しないが、上から何とかしろと言われ、場当たり的な対応を取ってしまう。
  • 問題の原因が不確かなまま、取り急ぎの対応をとり、なんとなく時間をやり過ごしている。
  • 施策に向けて社内根回しを行なっている最中に、上から新たな大方針が出され、従わざるを得ない。

代理店や制作会社とのやりとりでよくあるケース

  • 現状と目標数値とのギャップは認識している。
  • 代理店や制作会社に目標未達を打ち明け、共有する。
  • 「何か原因がないか調べてきます、他のケースも当たってみます」
  • 期待とともに待っている

これに対し、代理店や制作会社が持ってくるもの

  • 競合比較を行い、差異をもとにしたコンテンツの提案やデザインの改定案
  • リスティング結果をベースにSEM、広告、LPを中心としたキャンペーン施策案
  • アクセスログから現状把握するが、対策が論理的に飛躍している施策案

→いずれもしっくりとはこないが、時間がないことを理由に「効果が出るかもしれないベターな案」を選択して実行する。

なぜうまくいかないか?

そもそもサイト改善のプロセスは、以下のように定義できるそうです。

  1. サイトの目標がある
  2. 現状は目標に未達である
  3. 目標未達の原因(課題)がわかる
  4. 課題解決の施策(仮説)がある
  5. 施策を実行する
  6. 施策の効果測定を行う
  7. 改善が確認できる

このうち、「3.目標未達の原因(課題)がわかる」のプロセスが抜けている・あいまいなの状態での見切り発車だから、対策のピントが合っていない、と中川さんは指摘します。

そこで、現状分析が大切であるとし、その手法の内容と実践方法を紹介してくれました。

 

現状分析のステップと手法

現状分析では、目標未達の原因をステップ・バイ・ステップで掘り下げていく

ステップ1:現状の仮説を把握する

ステップ2:それまでの結果を測定する

ステップ3:理由を探り課題を特定する

ここで、ステップ事に使用する調査分析手法の紹介がありました。

「現状の仮説を把握する」際に有効な調査分析手法

ヒアリング

マーケティング戦略、サイト方針を明確にする

調査費用

15万円

準備〜報告

10日

ヒューリスティック評価

構造、コンセプト、コンテンツ、デザインをレビューする

調査費用

15万円

準備〜報告

5日

「それまでの結果を測定する」際に有効な調査分析手法

アクセスログ解析(重要)

サイト閲覧実態を把握する

調査費用

30万円

準備〜報告

15日

パブリックDMP

サイト来訪者像を把握する

調査費用

5万円

準備〜報告

3日

サイト内アンケート

サイト来訪者像とサイト閲覧を紐付けて把握する

調査費用

30万円

準備〜報告

30日

ヒートマップ

ページ内の閲覧実態を把握する

調査費用

10万円

準備〜報告

20日

「理由を探り課題を特定する」際に有効な調査分析手法

インタビュー調査

価値の受容性、認知購買プロセスを明らかにする

調査費用

75万円

準備〜報告

20日

Webアンケート調査

ユーザーを類型化し割合を出す
Webサイトの受容性をはかる

調査費用

240万円

準備〜報告

30万円

 

それぞれ、費用面や期間などの面での「導入しやすさ」、それから調査によって明らかになる「問題発見インパクト」の双方からスコアリングし、取り入れられやすい調査分析手法として「ヒアリング」「ヒューリスティック評価」「アクセスログ解析」「ヒートマップ」が挙げられていました。

サイト改善における現状分析3か条

犬の道にいかない

とっつきやすい施策を追わず、原因深堀りを意識する。

すぐに結果を出さない

ステップ1と2は何度も行き来し、当初仮説と結果を結びつける

推測を思い込まない

現象だけで心理は分からない。必ず生の人に確かめる。

 

参加してみて

 

Webサイトにおける「目標未達の原因」を明らかにしないまま、場当たり的に施策を回すケースはやってしまいがちで、思わずうなずいてしまいました。

まずは原因をを明らかにすべく、個人の憶測や、カンなどで的外れな施策を打ち立てないよう、しっかりとした調査が必要という内容が今回の主なメッセージでした。

調査というものがどれほど重要か、以下の様な事例を紹介してくれました。

パンケーキのWebサイトを制作するにあたって、どのようなユーザーをターゲットにするか考える。「ゆるふわ女子」「スイーツ男子」などを当初想定していたが、実際にユーザー調査を行うと「パンケーキ」と検索する人物はむしろ40代以上の世代が多いことがわかった。

セミナーは、具体的な調査手法や目的、内容などが紹介され、調査分析や改善をどのように進めればよいかが体系的に理解できる、実践的なセミナーでした。

 

“マーケティングリサーチャー”の地位を向上しなければならない

 

セミナー終了後、場所を移して懇親会へ。

そこで挙がった質問が、「調査手法の紹介のところで、いっしょに調査費用が掲載されていた。一見、高額とも言える費用を載せたのは”あえて”ですか?」というもの。

中川さんは「よくぞ聞いてくれました」と言わんばかりに頷き、こう仰っていました。

リサーチ(調査)は本来、”これをやらなきゃ始まらない”というくらい、すごく重要な役割を持っている。まずは問題となっている現状を調査して把握しない限りは何もできない。それなのに、リサーチは単なる”下調べ”という感覚で、現場では軽視されがち。本当はもっと予算と時間を割いてしっかり取り組まなければならない。だから、あえて調査費用と、日数を書いて、“これだけの費用と時間をかけてしっかりやるものなんですよ”という事を伝えたかったんです。

こうやって、リサーチャーの地位を上げていかなくてはいけないと思ってます。

胸熱です。まさに、その通りです。

僕の感覚でも、確かに単なる「下調べ」でした。というか、調査がサイトの制作や改善を行うにあたって、制作会社やコンサルタントなどが「オマケ」程度で行なっているもので、する方もされる方も、そこまでの重要性を意識していなかったかもしれません。

この日の話を聞いて、いかにリサーチが大切で、そしてしっかりとした費用や期間が必要になるくらい大変なものであるかがよく理解できました。

中川さんは終了後のメールでこう語ってらっしゃいます:

「調査や分析はユーザーを理解するための手段であって目的ではありません。
 目的はあくまで、「Webサイトコミュニケーションを円滑に、
 ねらい通りに行いたい!」です。
 調査や分析を通じて、もっと良くなっていくためのヒントを見つけ、
 Webサイトへの反映、改善が進んでいくと良いなと思います。」

 

今回のCSS Niteをきっかけに、名古屋で「Webマーケティングの日」を立ち上げる事になりました!

経緯など詳細は別日、このブログでお伝えしますが、名古屋でWebマーケティングやSEO界隈の人たちが集まれるイベントを作る話がこの日のCSS Niteの懇親会の席で挙がりました。

そして早速、名駅にあるベースキャンプ名古屋さんに第一回目を企画していただきました!すごい!

第一回 名古屋「Webマーケティングの日」4月2日開催 詳細はこちら

そんなわけで、勉強になる話も聞け、名古屋のWebマーケティング界の活性化に繋がる一歩が踏み出せ、とっても収獲になったCSS Niteなのでした。

original photo credit: r.nial.bradshaw

検索エンジンマーケティング担当。
正攻法に特化したSEOコンサルタントとして、大小様々なサイトのSEOを指導。
フォースと共にあらんことを。

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