【SEOと孫子の兵法】計篇1
2014/01/16カテゴリー:SEO対策と孫子の兵法
この記事では、「孫子の兵法」をSEO、webマーケティングに応用させるという、やや無理がある企画に挑戦していきます。自分で言うくらいだから結構無理がありそうな気がします。兵法をSEOに転用させるのは、おそらく日本初かと思います。もしかしたら世界初?
SEOというものには、「独自のコンテンツ」が必要です。このブログもSEO的に上手に立ち回らさせるためには、ただただSEOのニュースやコラムをぽちぽち更新していくだけでは、数あるSEO関連のブログとの差別化は難しいでしょう。何か特別なアトラクションとなる記事・企画が必要です。
そこで今回は、ビジネスマンや経営者が大好きなあの「孫子の兵法」をもとに、SEOについて(無理矢理)解説を行います。なんてったって最古にして最強の戦術書ですから、おそらく現代のSEOやwebマーケティング戦略にも活かせるものがあるはずです。そう信じて更新していきます。
孫子の兵法は、「計篇」に始まり、「作戦篇」「謀攻篇」と続き「用間篇」まで全部で13の章に分かれています。
全部が全部SEOにからめて解説するのは難しいと思います。火攻めがどうだとか、相手を撹乱させて攻めろとか、もうどうやってSEOに結びつければいいかこの時点で既にわかんねぇっす。
そのため、SEOやwebマーケティングに活かせそうな部分のみを取り上げようと思います。
なお、記事中に掲載する現代日本語訳は、『進訂 孫子 金谷 治著 岩波文庫 2000年』掲載のものを参考にさせていただきました。
計篇 ”SEOとはweb戦略の大事なり”
孫氏はいう。戦争とは国家の大事である。(国民の)死活がきまるところで、(国民の)存亡の分かれ道であるから、よくよく熟慮せねばならない。それゆえ、5つのポイントをベースに考え、7つの比較項目を検討し、その時の実情をもとめる。
5つのポイントとは、「道」「天」「地」「将」「法」である。
道とは、人民たちと上層の人たちの志を同心にさせる政治の在り方。そこで人民たちは死生をともにしても疑わなくなる。
天とは、陰陽や気温、時節など自然のめぐりのこと。
地とは、地理的な距離や、地形の険しさや広さ、高低のこと。
将とは、才智や誠信や仁慈や、勇敢さや威厳などの、将軍のもつ器量のこと。
法とは、軍隊編成の法規や官職の治め方、軍制などの管理能力のこと。
この5つのポイントは、人の上に立つリーダーなら誰でも知っている事であり、これらを深く理解できている者は勝ち、深く理解できていなものは勝てない。
SEO流解説
孫子の言う「国家における戦争」とは「webマーケティングにおけるSEO」と置き換える事ができるでしょう。
国力は戦争の結果や展開によって大きく左右されます。戦争を有利に進めることが出来れば国家は繁栄し、逆に戦争に敗北すれば国家は衰弱します。
戦争に勝利すれば資金は増えますし、領土は拡大し、兵力も増強されます。
webマーケティングにおけるSEOも同じ事が言えます。
ユーザーの多くは検索流入、すなわちSEOの結果によってサイトに訪れます。そして現在、まじめにwebマーケティングを考えているサイト運営者はSEO対策を行っています。特にビッグキーワードなどと言われる人気のキーワードの上位は多くのサイトが切磋琢磨しひしめき合っていて、まさに戦争状態となっています。
このSEOという戦争の中で上手に進むことができれば、流入ユーザーが増え、結果とし売上や顧客の増加に繋がり、サイト・サービス・企業が拡大していくのです。現代語訳の中にあるように、SEO対策とはサイト・サービス・企業にとって「存亡の分かれ道」となり得るのです。
孫子は戦争を熟慮するために抑えておくべきものとして、まず「道」「天」「地」「将」「法」の5つのポイントを列挙しています。
【道】サイト運営の在り方、SEOに対するやる気
兵法における「道」とは、上層の人たち(将軍や国王)と人民の志をひとつにする「政治」であると述べられています。
SEOにおいては、さまざまな形がありますが、たとえばSEOコンサルタントと更新スタッフ、上司と部下など、すべての人材がひとしくSEOの価値をあらかじめ理解・共有しておくことが必要です。
まだまだ多くの人が、「SEOのことはSEO会社に丸投げ」という感覚でいるように思います。SEO会社はサイトを精査しあれこれアドバイスをくれたり、外部リンクを提供してくれたりはしますが、結局サイトの更新作業は運営側のタスクです。さらに言えば、ユーザーを引きつけるような独自性の高いコンテンツの考案には、運営側の協力が不可欠です。自社のサービスやサイトの魅力を一番理解しているのは、運営側であるはずだからです。
そもそもSEO対策は数週間や数ヶ月で目覚ましい効果が得られるものではありません。SEOは決してマジックやチートではなく、日々コツコツと行う積み重ねによるものが大きいからです。あらゆるケースにおいて、ある程度長期戦になることは覚悟しておくべきです。
ですから、SEO対策を外注するにしてもインハウスSEOを行うにしても、「なんのためにSEOを行うのか」を全てのスタッフが理解し、モチベーションを維持しながら行うことが大切です。
【天】Googleのアルゴリズムに対する理解
実際の戦争で、季節や天候などにあわせて行動を起こすのは重要な事でしょう。そして、時に「天」つまり自然に逆らうことはできません。
SEOにおける「自然」とはGoogleのアルゴリズムです。世界中でさまざまな分析が行われていますが、基本的にアルゴリズムの内容は未知です。
いつ大地震や台風が起こるかわからないように、いつ大幅なアップデートや順位変動が起こるかもわかりません。
そして自然に逆らっても決して勝利を得られないように、Goolgeのアルゴリズムに逆らうことはご法度です。
また、自分なりに正しいSEO対策を行っていても、アルゴリズムの変動によって順位が変化してしまうという事は起こりえることなのです。
まずはアルゴリズムの性質をしっかり理解しておく事が大切と言えるでしょう。
【地】現状の把握、目標までの見通し
地形を読む。戦況を有利に進めるにあたって不可欠な要素です。SEOではまず現在のサイトの内容や順位状況を確認し、さらには競合状況の確認が重要です。サイトの規模が小さかったりするのにやたらビッグキーワードを狙ったり、サイトの内容と合致しているとはいえないキーワードを狙って対策を投じるのは、地形を読めているとは言えないでしょう。進める道と進めない道、さらには進むべき道とそうでない道の見極めは必ず必要です。
この地形に対し、競合はどのようなサイトを展開し、どのようなコンテンツでユーザーを惹きつけているのか。それに対し、自分たちはこの地で何を構えるのか、という事も充分に考慮する必要があると言えます。
【将】ユーザーを惹きつけるサイトコンテンツ
「道」SEOそのものに対する理解、「天」アルゴリズムに対する理解、「地」戦略の熟慮ときて、「将」はいよいよサイトの内容です。
すぐれた将軍が兵や民を魅了するように、すぐれたコンテンツはユーザーを魅了します。将軍の能力によって、兵力は0にも100にもなりますが、コンテンツの内容によって、アクセス数もそのように大きく動きます。
あなたがある業種のサイトを運営しているのなら、あなたはその業種のスペシャリストであるはずです。その知識や経験、情熱をもってしてサイトコンテンツの制作に励むべきです。あなた自身がサイトにとっての「将軍」となり、人を呼び寄せるコンテンツを作る。これがいちばんの理想型です。
【法】サイト運営の進め方
サイト内容によりけりですが、基本的にクローラーというのは更新がしっかり成されているサイトを好みます。特にブログは、定期的に更新されている鮮度の高いブログの方が、数年間更新の途絶えたほったらかしのブログよりも好まれます。多くの場合、サイト運営というのは「一度作ったらハイおしまい」ではなく、定期的に更新しなければなりません。ECサイトなら、商品が入荷したらページにアップし、売り切れたら下げます。
たぶん、一度作ったらハイおしまいで済むような「永久保存版」的なwebサイトは、ものすごいクオリティが求められるのでないでしょうか。それよりも、たまに手を加えて、更新・改変したり新しいページを加えたりする「生きた」webサイトを育てる方が実はラクだったりします。
このためにはしっかりとサイト運営における管理が必要です。サイトの更新の仕方や担当者などを管理しないと、ほったらかしにされてサイトが枯れてしまうかもしれません。
コンテンツを更新したり、ブログの記事を投稿したり、ページを追加したり、サイト運営をていねいにコントロールしてあげる必要があります。
これら5つのポイントをしっかり理解し実戦すればSEOという戦いを有利に進める事ができ、逆にどれも軽視しているようでは、思ったような結果が出ないでしょう。
…こうして、ピンと来るような来ないよな、ためになるようなならないような、よくわからない記事ができあがるのです。
今記事では、「計篇」の冒頭部分を取り上げました。この後の原文の流れとしては、
「おめぇんとこの将軍がこの5つのポイントちゃんと従ってくれるなら、ぜってぇ勝てるから手を貸してやる。でも従わないんだったら、まぁ負けるだろうからそいつ辞めさせろや」と、だいぶ強気なノリに出ます。
この5つのポイントをしっかり抑えれば、SEOにおいても、きっと良い結果を生む事ができると思います。
やや強引にSEOと結びつけましたが、どれも間違った内容ではないハズなので、それぞれ考えてみてください。